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    ★2006/1/8連弾のコンサートwith小坂圭太その2 - 2006.01.08 Sun,00:14

    昨日の記事に、ストラヴィンスキーのペトルーシュカの話題ばかり長々書いたので、来る人もなんの期待もしてないかもしれないが、ドビュッシーの「6つの古代のエピグラフ(碑文だぞ、エビピラフではない。)」は、聴く音楽(あたりまえだけど)だけではなく、「観たり、香りを嗅ぐ音楽」だと思う。

    この曲は音楽を愛する人のみならず、詩歌や絵画を愛する人、あとアロマテラビーや香水が好きな人にとてもアピールしそうな音楽だ。

    音楽で魂を浮遊させるというか、これぞドビュッシーの真骨頂だなと思う。

    決して唸らせるような運動能力の高い、自己顕示欲を刺激するものはそこにはなく、音の質感のコントラストによる投影、あるいは、音に温度や前述のような香りを感じてしまう不思議な世界だ。

    これは、たしかに客観的な風景を表した音楽と言うのは危険だけど、恋人を求めたり抱き合ってドラマティックに気持ちを吐露する種のものではなく、とっても不思議な場所に行って、建物でもいいし、少々日常から脱したその空間に自分が入っていったときに感動を覚えたときのものに近い様な気がする。

    ストラヴィンスキーの並はずれた才能と比較のしようがない、これもまたドビュッシーしかなしえないような、天賦の才能にのみ聞こえた音楽なんだろう。

    最近、こういう幾層にも重なっている深さのある音楽がなんかびりびり琴線に触れてしまう。

    初めて聴いたとき(というか初めての体験は、誰かの演奏を聴いたのではなく、自分で弾いた時なのだが)から惹き付けられてはいたけど、やっぱり数十年経った今の方がそのそこはかとない面白さが体を突き抜けていく。

    これはやはりピアノというペダルを持った楽器でなしうる独特の音風景だろう。

    ピアノが楽器として育っていく過程に於いて、実はモーツァルトやハイドンも時にペダルに言及し、その創生期の特性を面白く活かした曲もあるけど、やっぱりショパンがある意味、初めてペダルによる独特の表現をピアノに与え、ドビュッシーが別の意味で、革命的に「ピアノじゃないとできない表現」をペダルとピアノに与えた様な気がする。

    たしかに、ラヴェルも音の魔術師だと思うし、ペダルは不可欠な世界だし、ピアノの世界は他の追従を許さない部分があるが、ラヴェルの音世界は、そのまま管弦楽に置き換えられる「実体」を持ったもので有るような気がするし、実際作曲者自身がかなりのピアノ曲をオーケストラに編曲してるね。

    しかしドビュッシーのピアノ曲はラヴェルの様には編曲されている率が小さいように思うし、なんというか、他の楽器でやるんでは、無理なんじゃないかなと思う響きがある。

    一口に「印象派の音楽」とかいって、ドビュッシーとラヴェルをごっちゃにするくくりが有るけど、あれって、良くわからん。

    分類しないと気がすまない輩が言っているだけで、まったく二人の音楽は「本質」が違うと思うし、音楽に於ける印象派って分かるようでなんだかわからない。教えて欲しいな、誰か。

    逆に脱線しまくるけど、ドビュッシーの音楽は、ちょっと前の時代のドイツのシューマンの方がラヴェルより本質が近いように思うことがある。

    ラヴェルはショパンや、はたまたバロックの音楽に似ていると思う。(爆)

    もう寝ないといけないのに何を本番前に書いているのだろう。

    脱線ついでに、、
    ストラヴィンスキーもペトルーシュカをはじめ、大きな管弦楽曲は誰でも評価するだろし、それに異論はないのだが、あまり演奏されないすごく短い曲なんか、今回はアンコールで数曲弾こうとおもっているんだけど、これが、たまらなく愛すべき「狂気と明るさ」みたいなものがあって、練習していて思ったが、白石准が書いた“どんぐりと山猫”の中には明らかにそれの影響を感じる。

    兵士の物語が幼少の頃環境音楽のようにながれていたから、音楽の原風景がそれなんだろうな。

    プーランクのソナタは僕が良く弾くプーランクの作品にくらべ、どちらかというとストラヴィンスキーの影響もかなり投影されている時期、つまり少々エキセントリックなスタイルも前面に押し出ているような初期の作品で、あっという間に終わるが一応循環形式で、終楽章には、その前の一楽章と二楽章が再び顔をだす。

    この曲も笑って聴く方が楽しい。なんかストラヴィンスキーにも感じるけど、西洋のちんどんやさんが来たぞ、踊るしかないだろうって感じがいいね。(爆)

    タンスマンは今回取り上げられる作曲家の中ではもっとも知られていない作曲家だけど、結構教育には有効なしゃれた曲が多いことを自分は知っていて昔ピアノのレッスンで良く使った。

    そのシリーズの一つが今回の4つのフーガだ。

    四冊からなる連弾のシリーズなのだが、巻を追うごとに難易度は高くなる。
    しかし、3巻までの曲は平易な中にとっても様々な景色の浮かぶ曲が多い。
    それもそのうちとりあげてみたいが、そのなかで、一番「真面目」な曲がこのフーガだ。

    バッハへのオマージュも感じるし、コンサートを始めるにはもってこいだろうな。

    この記事は別のページから移植したものですから当時頂いたコメントをここに記します。

    ■連弾バトル!

    何年か前の事を思い出して友人に小坂さんがミニカー大好き人間と囁いていました。

    前の演奏では小坂さんがたちあがったのに、今回はなぜ立ち上がらなかったのかとても不思議です。今回は左側に座れなかったのでかなり印象がちがいましたが、前回同様視覚(お二人の表情)と聴覚が十分満足した演奏でした。

    いつもながらペダルの説明等うれしくなる説明をありがとうございます。選曲も新鮮でいつも楽しみにしています。

    タンスマンの名を初めて聞いたのですが、好きになりそうです。
    貴重な演奏を聴かせていただいて有り難うございました。


    sekimama (2006-01-09 18:29:06)

    ■やっぱり

    体育会系ピアニストですね。
    初笑いのお話もありましたが、ペトリューシカは立って聴いてじっと見て笑うどころではありませんでした。どっちかというとアンコールのワルツが笑えた(意味が違う?)
    おば (2006-01-09 23:49:11)

    ■どこで立ち上がったのだろう

    sekimamaさん、たしかにペトルーシュカを門仲天井ホールでやったとき、下のパートを弾いていた小坂氏が、ある簿面で僕の後ろを通り過ぎ上から弾いた記憶がありますが、終演後彼と思い出しましたが二人とも思い出せませんでした。(爆)

    もちろん前回やった時に書き込んだ財産は活かしましたが、今回はまた初心に戻ってやったので(単に忘れているだけ)ほとんど新鮮でした。

    おばちゃん、あのワルツで笑うのは王道です。(爆)
    できれば、一番最後のギャロップでも笑って欲しかった。(爆)
    白石准 (2006-01-10 12:44:20)

    ■1、ひきずりこまれた

    タンスマンの4つのフーガ的小品から始まりました。
    どうしても箪笥を思い浮かべていましたが。

    説明に、かえるの歌?みたいに、追いかけていくという説明がありましたがフーガという意味がちょっとだけわかりました。
    車の車種でそういうのがありますし身近に聞く言葉ではあります。

    第一巻の最初から歯切れ良く、力強く、その世界に気持ちよく引きずり込まれていきます。

    二巻では美しい旋律、和音その中にも力強さを感じる、弾き方はそれは一つ一つの音を丁寧にあたかも田植えの稲を一本一本愛情をこめていくのと似ている、ように見えた。
    これが稲穂のように育ってると思いました。

    三巻は悲しい、でも力強い。四巻はスタッカートで始まり軽快な感じ。

    今日は実は自転車で二宮まで約50kmを走ってきた。しかも直前にデニーズでカキフライを食べ温度も丁度良く条件は揃ってる。うとうとしようかと思っていましたが最初から引きずり込まれてしまいましたので、寝るのは不可能でした。
    田沼ぱぱ (2006-01-10 17:20:23)

    ■席選びを失敗した

    プーランクはじゅに~にょ氏の演奏を聴くようになってよく聞く名前になりました。

    でも曲を聞いてもよくわからないんです。
    変な曲に思います。和風な旋律だとも思います。

    小坂氏と白石氏の対談がおもしろいと思いました。連弾だからこその対談です。

    普通僕のようなしろうとの思う連弾って、発表会で先生が生徒をリードして生徒に自信をつけさせる手段だと思っていました。

    でも違いそうです。
    座った席が一番後ろで間違いだったのは、演奏者2人のやり取りというか手の交差するところなんかが見えなかったんです。

    どうして一番後ろに座ったかというと寝てしまったら格好悪いからです。
    こんな面白いなら寝ることができないと思いました。席選びは失敗でした。
    田沼ぱぱ (2006-01-10 17:21:19)

    ■3、日本のうた

    ドビッシーの二つのエピグラフは、これも日本の歌がはじまるのかと思いました。

    フランスってこうなんですか?無知な僕にはわかりません。
    でも唐草模様だって西洋から来てるからな、と思いました。

    第二曲三曲でとうとう眠くなってきた。
    連弾のせいか低音を多用できる?ので魂とともに体に直接響くので心地よくなってきたんです。

    第四曲でも曲は変わってきてもきれいな力強い低音の和音が続く、第五曲はエジプト女の身のこなしが想像できる。
    神秘的でもある香りを感じるような気もした。

    ストラビンスキーのペトルーシュカは賑やかな雑踏というか、そうか謝肉祭だからお祭りの賑わいの感じで酔っ払いが千鳥足で歩いたり、道化師かな踊ってるかなとか喧嘩がはじまったり偉い人の行進があって急に静かになったりメリーゴーランドみたいだったり、おらは死んじまっただ~(昔の歌謡曲に似てた)みたいだったり泣く奴もいたりと、とにかく忙しい感じがしました。

    でも笑ってもいいと聞かされていましたが決して笑えるようなものではなかったと思います。

    連弾のお二方の息の合った演奏は研ぎ澄まされた感覚と高度な技術がなければできないであろうからです。

    自転車でピアノの演奏を聴きに行くことについて。体中に血液がめぐり音楽観戦の準備体操として最高だと思います。

    気の晴れない人が素敵な演奏で気持ちがすっきりするということもあるでしょう。
    ちょっと運動をして軽い興奮状態で素敵な演奏を聞くのもいいものだなと思いました。
    田沼ぱぱ (2006-01-10 17:22:40)

    ■立派な曲目解説です!

    鉄人田沼ぱぱの洞察力は凄いです。

    このまま次回この曲を弾くとき、コンサートのプログラムに転用させてもらいたいです。

    こんなユニークな視点で本質を見抜いている解説をみたことはありません。

    ドビュッシーの東洋への憧れを的確に見抜いているし、やはりプーランクもあの曲の中には、異国情緒をちょっぴり欲しくてちょっと壊れてはいるけど東洋的な旋律がそこかしこにありましたね。
    フーガについても面白いです。

    フランスの近代の音楽にはけっこう和風なメロディーが出てきます。

    僕はそれ(日本や中国の音階で、五つの音でできているやつ)が余り好きではなく長い間興味の範疇からそれていた曲も多いです。

    今もあまりそういう旋律でできている中国の曲や日本の曲をピアノで弾くのは好きではないけど、ドビュッシーのそれは少し大人になったのか、ドビュッシーのフィルターを通して響いてくる良さが分かってきたのか、心地よい感じになって、この曲も30年前に弾いたときより断然好きになりました。

    ペトルーシュカの混沌とした音響のなかに、「おらは死んじまっただ~」を聴くとはすごい。

    泣き笑い全部はいってる曲で、本当に雑踏にいるような気がしますよね。

    かつて青梅マラソンを走った時、有酸素運動の結果、脳に酸素が数日間、いつもより入っていたような気がして、その週のコンサート、やたら頭が冴えて調子が良かった記憶があります。

    演奏者も観客も会場にエアロビクス状態で集合するのがもっとも理想的なありかたかもしれませんね。(爆)

    あ、今気づいたけど、sekimamaに対するの僕のコメント、
    >下のパートを弾いていた小坂氏が、ある簿面で僕の後ろを通り過ぎ上から弾いた記憶がありますが、終演後彼と思い出しましたが二人とも思い出せませんでした。(爆)

    というのは、

    下のパートを弾いていた小坂氏が、ある場面で僕の後ろを通り過ぎ、僕の右(客席側)から弾いた記憶がありますが、終演後彼とどこだったか思い出そうとしましたが、二人とも思い出せませんでした。(爆)
    の間違いです。

    それと、田沼ぱぱにちょっと勘違いされたかもしれませんが、タンスマンの先日弾いたものはすべて4巻に出ている4曲でした。
    白石准 (2006-01-10 18:24:52)
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    (新しい記事には極力付けるようにしていますが、全記事検索にはほど遠い状態ではあります。
    少しずつ古い記事にもtagを付けていく所存であります。
    検索しやすいように日本語でtagを付けていましたが、URLにすると、メールなどで、日本語の部分を認識してくれないことが判りましたので、今は日本語で書いた方が良いと思われる地名や固有名詞以外のものは英語に書き直していますが、勿論一辺には出来ないので同じ言葉が日本語と英語で別れているという妙な事になっていますが、追々統一したいと思います。)

    My Works

    iTunes Storeで配信されている、僕の作曲した作品です。
    両方とも宮沢賢治の物語を元に「語りと音楽」による編成で作曲されています。
    “どんぐりと山猫”については、ここ
    “セロ弾きのゴーシュ”についてはここ
    に補足説明があります。
    これらの作品の生演奏のオファーも随時ここで受け付けています。

    二つの作品のうち、“セロ弾きのゴーシュ”はこの真下の欄にあるようにCDとしてもリリースしました。

    お断り

    commentやtrackbackは記事そのものに直接関係ない(記事が取り上げていることに関連があったにせよ)と僕が判断したものは断りなしに削除させていただきますし、頻発する迷惑投稿を拒否するために認証後反映する時もありますのでご容赦。

    PhotoはものによってClickすると写真共有サイトや、そのまま大きいサイズで見ることができます。

    様々なテーマについて投稿することにより将来的には一種の白石准の百科事典のような「作品」に成長していくことを期待しています。

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