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    2020-04

    語りを楽器として扱うついでに、二人で朗読してるんだからそれをずらしてカノンにしたらどうだろう - 2011.03.08 Tue,04:25

    自分が試行錯誤しているときは、頭の中だけでその思いを巡らせるよりは、語り合ったり、文字にして外側に出してみることは、自分で気づかなかった考えにたどり着くことがある。


    それにしても加筆を続けている間にとんでもない長さになって、これは他人が読みたくなる状態じゃなくなりましたな。

    まあそれはそれでもいいや。

    自分の頭の中の整理をしたかったのですが、これを書いたことで凄くスッキリして生まれ変わった気分になっています(爆)


    昨日書いた記事からまた“オツベルと象”ネタが続きます。


    こういう類のことは山猫合奏団のページにも書いちゃうときがあるので、そっちもたまに見てください。
    上記のlinkは“オツベルと象”ネタだけのカテゴリです。


    今作曲中の“オツベルと象”は、譜面に最初から語りを音符で書いています。

    ということは、通常の朗読とは違うということは最初から意識していたことだから、タイトルの様に実に器楽的な、あるいは合唱がよくやるような手段を使ったらどうだろうという考えが浮かんできた。

    pianoという楽器の演奏をするときは、Bachの例にもれず、ストレッタといって、あるモティーフが終わる前に次のモティーフが始まると、完全に一つが終わってからそれを受け継ぐ時とは別の緊張感が出ることがある。

    そんなに高級な例じゃなくても、単純な例が、輪唱、つまりカノンだ。(カメラのCANONじゃないよ(爆)「蛙の歌が、聞こえてくるよ」っていうやつ。)

    あるいは精密にカノンにならなくても、主旋律に対するカウンター、つまり対旋律の台詞があったら、その言葉が単に、状況や意味を伝えるものではなく、他の楽器が醸し出す様々な音楽的な表現と同じ効果が出てくるはずだ。

    つまり、主旋律に当たる台詞に、漫才の突っ込みみたいな台詞を音楽的にかぶせたら(まあそれが対旋律ということになる訳だ)面白くなりそうだと言うこと。

    それは必ずしも賢治が書いてない言葉を降りかける勇気を持つことが大事だ。


    どうも僕は今まであまり脚色ということには手を出さないで来たことは以前にも書いたけど、今回はとにかく、ストーリーの意味よりも言葉のリズムを表現の核にしたいから、「賢治が書いたとおりにやる」という原則から外れても良いような気がしてきた。

    ただし、彼が書いた言葉は全部作品の中に埋めるという原則からは外れないつもりで。


    BassがJazzの人(稲垣護さん)で、どんどん限られた場所だけど、すんばらしいad libをしてくれるわけで、役者が完全なアドリブではないにせよ、あたかもそれに呼応しているように音楽的に躍動しなければこの編成で書いた意味がない。

    内容の説明者ではなく、ある意味歌い手のようでなくてはいけない。

    そのへんちくりんに処理された音の上に乗っている言葉の中で、日本語自体の意味、そして賢治の書いたStoryの中身をどう、はっきり伝えるかは役者が悩めば良いことで僕が悩むことではないのだ。


    考えてみたら、“どんぐりと山猫”も“セロ弾きのゴーシュ”も“注文の多い料理店”も、元々は語り手を一人で想定して書いたものだ。

    それが、おのおのいろんな事情で、二人や“セロ弾きのゴーシュ”に至っては三人で語るように今では「演出」されているのだが、今回は最初から語り手は二人という前提で書いているわけだから、一人の語り手では絶対に成立しないように書くのが当然の帰結だろう

    そうなんだ、今でも前述の作品群は一人の語り手で成立するわけだから。


    そう、音楽の分野でも、“どんぐりと山猫”と“注文の多い料理店”はもともとPiano1台がOriginal。

    “注文の多い料理店”はまだというかたぶん他の楽器は入らない方が良いかもしれない閉じた世界。

    高山正樹の歌唱力に支えられている作品なのでそれこそ「伴奏」はシンプルにPianoだけで良いのだ。
    Pianoが存在感を持つのは、冒頭とepilogueの独奏だけだ。

    まあそこに勝負をかけているといえばそうなんだが。



    “どんぐりと山猫”はもう十何種類の編成でやったかなという位、確かにOriginalの編成で演奏したことが一番多いけど、あれは、景色や登場人物を描く音楽だから色がついていたらそれに超したことがないので、本当はかつての山猫合奏団のように8人くらいでやるのが理想。


    “セロ弾きのゴーシュ”はその名の通り、Cellistが居なければ成立しない世界。

    これは、ある意味僕のすべての作品の中でもっとも、シンプルにできている。

    物語自体、「音楽を演奏している」という事に基づいているから、楽曲をかけばよかっただけだ。

    もちろん、そこに今回とは違う苦労はあるのだが、冒頭と最後のクライマックスに管弦楽がなるときに、リアルで室内楽オーケストラが出来たら理想だけど、まあ現実問題それは誰が金を出してくれるかありえないからCelloとPianoだけでいいのだ。


    さて、“オツベルと象”の編成は、語り手2人とTuba(象の象徴)、Bass(もちろんアコースティックなJazzの)とPianoだ。

    もし予算が許すならこれにPercussionsが入ったら面白いだろうなとは思うけど、あと劇中に役者にいくつか楽器を与えているが、もう最初から少なくとも三人のために書いているので、これをPiano1台で上演することは“セロ弾きのゴーシュ”同様不可能だ。

    やって出来ないことはないけど、やっぱりTubaはTubaでなければこの場合だめだ(古本大志君がすばらしいんだこれが)し(まあBass TromboneとかBass Clarinetという可能性はないとは言えないけど、それをPianoで代用することは手が足りなくてできないという意味)、華麗なアドリブをしてくれることも大事だけど、この賢治のリズムのある言葉に僕が展開した世界観のグルーブを前面に創り出すBassistが居ないと、この言葉の躍動感を表現するのに困るのだ。


    語りについて、話題を戻そう。

    かつて学生時代、「群読」というのをやった事を思い出したのだ。

    分からない人に説明すると(そりゃ分かるわけ無いね、僕だってそれをやらされるまでそういう言葉があること自体知らなかった)、小学校時代の卒業式の際、なぜかシュプレヒコールという横文字で言っていたような気がするが、ああいう朗読の「合唱版」みたいなやつだ。

    全員でユニゾンのところもあり、ソロで一人で言ったり、それが二人だったり、細かく受け継いだり。

    それで、短編小説(中島敦や太宰治のもの)をみんなで朗読したことがあった。

    その時その授業も受けて自分も部品になっていたが実際に公演にかけたとき(二度ほどあった)は、自分は語らず、作曲していたのだが、その体験はかなり普通じゃ味わえないもので、それはもしかしたら今の活動のモチベーションの素になっているのかも知れません。


    練習の時、指揮者の役割も買って出たもんだ(爆)

    もちろん本番は指揮者は居ないけど。

    変な話、昨年Guys and DollsSHE LOVES MEというミュージカルで指揮をしながらピアノを弾いたがその原点は音楽家達ではなく、役者達の群読の交通整理やテンポ、表情のコントロールから始まっていたのです。


    さっき、“オツベルと象”の一部の台詞をカノン風というか掛け合いにしてみた。

    二人で語っているという形式なので、フォルテが欲しいときに、一人じゃなくて二人で同じ台詞を言って、それはclarinetが管弦楽の中で二本が同じmelodyを、こう言うのをunisonというのだが、それをやったときに、一本で鳴っているのとは違う力強さがでるのと同じ効果を狙えるし、掛け合いをやりまくると、「音楽をやっているのは楽器の人、役者は説明をしている」という構図が完全になくなり、楽器の存在を忘れるような台詞の中にある音楽的なリズムが前面にあぶり出されてくるのだ。


    しかし朗読でカノンというのはこれは今まで自分でやったことはないので面白いと思うのだが、一つ大きなリスクがある。

    そういう様式なんだというように作っていかないと、語り手のうちの一人が遅れて間違えているのだろう、と思われることだ。

    それだけは避けなければいけない。


    勿論、今夜の思いつきなので、明日の朝になったら、ラブレターを夜中に盛り上がって書いた思春期のごとく、色褪せたものに見えて不採用になるかもしれないが、どうせ、ここまで器楽的に(言い方に寄れば声楽的になのかもしれない)音楽に語りをひきつけているなら、できることは少しは試してみる価値はあるだろう。

    そうなると今まで書いたすべてをひっくり返すことになるかもしれない。ううう。


    というか、最初にこれを書き始めたときから、投稿するまでもう数時間が経っていて、上の段落の文章を書いた後に、もう引き返せないぐらい書き換えてしまったので、もう今まで三回練習したが、ある場面はもう別の作品状態に変わってしまったから音符を読む練習は0から役者達はやり直さなければならなくなりました。(爆)


    職業音楽家としてたとえば、吹奏楽やオーケストラの作品を書いたら、リハーサルで色々変えたくなっても練習時間とか写譜の問題でほとんど根本的な変更は不可能だから作曲家は実際に音が出る前にほぼ様々な部分を完成させていなければならないという、演奏のリハーサルならいくらでもいろんな方法を試せるのにそういう作曲家は本当に大変だと思う。


    翻って僕は、役者はぶうぶう言うが、練習するごとにどんどん変更していっています。

    だって自分じゃない人がその譜面を見てやってみせることは、予想通りにやってくれたときのうれしさは格別なんだけど、たいがい予想外の事が起きるわけで、それが面白い場合があって新たな考えが浮かぶときもあり、そうじゃなくて、となれば、それは書き方が悪いからそうなっちゃうのでこう書いたらどうだろうとか、“オツベルと象”もまず初演の5/1は一つの区切りになるけど、それっきりの作品ではないので、たぶん数年間は色々変わるだろう。

    “セロ弾きのゴーシュ”も最近はさすがに落ち着いてきたが、書いてしばらくは、そのたびに違っていたし、30年前に書いた一番古い“どんぐりと山猫”も編成がそのたびに違うときは何時も新作状態なんです。


    山猫合奏団じゃなくて、つい先頃最終公演を迎えた名古屋の人形劇団のむすび座がやってくれた“ジョディと子鹿のフラッグと”に至っては2007年の秋に初演を迎えるまでにも相当変わった(書き始めてからはほぼ10ヶ月くらいだったかな、最初は)。

    初演後もずっと変わり続けていて、書いて練習を凄くした曲のなかの何曲も没になった(上演時間の制約があったからね)し、でも、そういう作り方は僕にとっては面白かった。

    まあ誰かに委嘱されても一回しか演奏されないような場合には本当に思いがその瞬間に全部伝われば良いけど、僕の技術じゃ絶対に無理だ(爆)


    ピアノ弾きとしての白石准がレパートリーだと思っているものだって子供の頃から弾いている曲だってあるし、何度も本番にかけないと鈍くてその作品の事が良く分からないから同じ事なのだ。


    再投稿を繰り返している間に、いつの間にかこんなに長くなってしまった。
    きっと携帯電話からは文章の全体がみられないかも知れぬ(爆)

    Twitterにtweetしようと思うくらい最初の思いつきからでた文章は短かったのです。
    それはtitleにあります(爆)

    それだけで本当は済んだんだ(爆)


    まあ誰だって絵を描いていたり小説を書いたり、作曲するときに着想のネタをばらすことは愚かなことだし、これでまったくこの記事のアイデアが反映してなかったら馬鹿みたいだけど、書いてみたことは無駄じゃなかったと思うので、採用するにせよしないにせよ、これをしたためる前とは違う気分になってまた作曲に戻ります。

    なあ、猫、君はどう思うのかね。
    ちいたま18732
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    新たな着想、そしてその検証、その繰り返しでどんどん“オツベルと象”は観客の耳に届く前に育つ

    この間真夜中に新たな作曲のアイデアが生まれて、その翌日からは二日がかりで、“オツベルと象”の、とある部分を根本的に見直して直してみたのですが、昨日、初めて実際に語り手達に声に出してやってもらいまし...

    そんなに見つめないで、、ニシムラサキエボシドリ Violet Turaco@掛川花鳥園は凄かった40 «  | BLOG TOP |  » なんで“オツベルと象”の作曲も,演奏のための練習も難しいか判った

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    (新しい記事には極力付けるようにしていますが、全記事検索にはほど遠い状態ではあります。
    少しずつ古い記事にもtagを付けていく所存であります。
    検索しやすいように日本語でtagを付けていましたが、URLにすると、メールなどで、日本語の部分を認識してくれないことが判りましたので、今は日本語で書いた方が良いと思われる地名や固有名詞以外のものは英語に書き直していますが、勿論一辺には出来ないので同じ言葉が日本語と英語で別れているという妙な事になっていますが、追々統一したいと思います。)

    My Works

    iTunes Storeで配信されている、僕の作曲した作品です。
    両方とも宮沢賢治の物語を元に「語りと音楽」による編成で作曲されています。
    “どんぐりと山猫”については、ここ
    “セロ弾きのゴーシュ”についてはここ
    に補足説明があります。
    これらの作品の生演奏のオファーも随時ここで受け付けています。

    二つの作品のうち、“セロ弾きのゴーシュ”はこの真下の欄にあるようにCDとしてもリリースしました。

    お断り

    commentやtrackbackは記事そのものに直接関係ない(記事が取り上げていることに関連があったにせよ)と僕が判断したものは断りなしに削除させていただきますし、頻発する迷惑投稿を拒否するために認証後反映する時もありますのでご容赦。

    PhotoはものによってClickすると写真共有サイトや、そのまま大きいサイズで見ることができます。

    様々なテーマについて投稿することにより将来的には一種の白石准の百科事典のような「作品」に成長していくことを期待しています。

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