予想と裏切り(加筆訂正再投稿) - 2009.06.23 Tue,11:34
それが良い悪いといっているつもりじゃないが、実際、自分が作曲して演奏し続けている一連の山猫合奏団による宮沢賢治作品(“どんぐりと山猫”、“セロ弾きのゴーシュ”、“注文の多い料理店”)を、それをご覧に(お聴きに)なっていらっしゃらない人々に口で説明を試みるとたぶん、こっちが期待したものと先方が予想するものの乖離は相当に大きい。
先頃、川崎市のあるフェスティヴァルで演奏させて貰ったが、事前のいくつかの取材でも、僕は参加していないが、スタッフとの打ち合わせでも、同じ日本語で、同じ事を話題にしているのに、僕らと先方では恐ろしく違うものが頭に浮かんでいただろうということは、上演後再び同じ人たちとの会話で実感したものだ。
逆に一度理解して貰うと「安心して」先方も僕らの評価ができるし、ありがたいことなのだが、それは好意を持って貰ったときであって、逆の場合は発信者にとってとても凹む。
しかしそれは宿命なんだけど、別に自分の作品のオリジナリティをここで自慢するためにかいたんじゃないんだ。

この仕事が決まって事務所から参考の音資料が来るだいぶ前に、表示されているアルバム(ロンドンのカンパニーの演奏)をiTunes Storeからダウンロードしを聴いてみた。
ソンドハイムのこの音楽について、聞いてみるのと弾いてみるのでは、こういう状況だといつものことではあるけど、印象が違う。
やっぱり聴く以上に弾いてみると実に面白い。
しかも、なんで今日これからリハーサルに行かなくてはいけない忙しい時刻にこんなことを支離滅裂になりながら書くかというと、まだ歌合わせ(ごく一部あれが歌といえるのか、音楽に乗せた台詞といえるのかどっちともつかないものなのだけど)がないので、完全な実感とはまだ違うのだけど、歌が乗ったロンドンのカンパニーの演奏を聴くと、完全におこがましいのだけど、言葉と音楽の関わりに於いて、自分が作曲していて模索している根本的な事についてとても、あこがれるというか納得というか、実に示唆が富むサンプルを、しかも実際に演奏しながら味わえるという幸運に遭遇したと感じたからだ。
ただ、他の人が同じように思っているかは知らないし、これから一般の聴衆がこの作品、特に音楽の面に関して、「なんじゃこれ」とか「難しい」、逆に「ユニーク」、「面白い」と思うかそれは、事前に簡単に予想できるものではない。
これのどこがミュージカルなんだ、オペラじゃないかと思うかもしれないし、オペラだって?こんなミュージカルっぽいのに、とか、これは、ストレートプレイの音楽の部分を増やしたものじゃないかとか、なにを言っているのかどれもあたらないようで当たっているような微妙な感じがする。
ボーダーレスだの、ボーダーラインにあるものとか言ってしまえば簡単だけど、この作品が最初からそこを狙ってビジネスしているわけではないのは明白だ。
そうは言っても、自分だって最初聴いたときは、何じゃこれっぽいところはなかったわけではない。
でも、それって「Musicalを聴いている」という予見から出てくる感想であって、単に「音楽」を聴いているという感覚からすると何もびっくりすることはないのだけど、ここの微妙な差異がやっかいだったりするのだ。
でも、何回か聴いたり、こうやって弾いてみるとそのおもしろさに気づくんだけど、聴衆は一回しか観ない(一回も観ない人の方が圧倒的に多いわけだけど(爆))人がほとんどで、その人たちにどう伝わるのかは僕らの責任も相当あるけど、なんかいわゆる安全パイっぽいテイストがあふれている作品に関わるより、実にやりがいを感じます。
今回のミュージシャンたちは、もう一人のキーボード(CHICAGO以来の共演です)とマルチのリード奏者(大下君といって何年か前のMiss Saigonの時に一緒でした)の二人以外指揮者も音楽監督もアレンジャーたちもみんな初めての人ばかりでそれも新鮮です。
この作品は80年代のものなのかな。
ちょっと70年代から現代音楽の分野で流行っていたスティーヴ・ライヒのミニマルミュージックの作品のテイストがする箇所もある。
でも、弾き続け、聴き続けているとやっぱり、Musicalってこうじゃなきゃ、とも思えてくる。
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★来る7月中旬から8月頭まで、渋谷にオープンする東急シアター・オーブでのこけら落とし、来日公演のWestsaide StoryにてKeyboard(主にPiano)を弾く事になりました。
いつも弾いているOriginalの編成ではなく、規模が小さいようなので、色々初体験のパートを弾くかもしれません。
今年もよろしくお願いいたします。



iTunes Storeで配信されている、僕の作曲した作品です。



