SHE LOVES ME2009～2010、公演はあと1回 - 2010.01.31 Sun,00:33

自分の演奏場所の景色の一部はこういう感じです。
コンピュータのブラウザで見ている人はクリックすると拡大されて見えるけど、僕の姿はそれを必要とするセクションに送るためにビデオカメラに捉えられています。
本番中は楽譜をめくりながら、台本も参照しながらめくっています。
楽譜はページの左から右へ、そして台本は、右から左へ、、ってあえて書くほど混乱はしてないし、もう何十回も見てるから台本は必ずしも必要ないのだけど、自分で自分の事が信用ならないので、明日（もう今日か）もそれを羅針盤にするつもりです。
常に揺れている舟の上で弾いている感覚に慣れてしまったので、この記事を見た大きな客船の会社の人、このバンドを雇ってください。
時化じゃない限り船酔いはせずに演奏できると思います（爆）

まあ、僕は揺れても酔わずに弾いた経験がありますが、、、。

SHE LOVES ME、たぶん誰も気づいてないだじゃれ（爆） - 2010.01.30 Sat,01:39

ついに、SHE LOVES MEも残り3公演になりました。
オーディションをつきあったのが2009年の6月、実質僕が参加するリハーサルが始まったのが10月下旬だから、3ヶ月ちょっと、つまり一年の1/4はこの作品につきあって来ました。

では本題。

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ある場面で、シーポスという人物が、ジョージに、「ハンガリーの教えにある、、、」と世渡りを諭しながら歌うまさにその瞬間に、右手に「ハンガー」を持っているのだけど、あまりに高度なオヤジギャグなので僕の位置からは客席で笑っている人はいらっしゃらないように思うけど、、俺は好きだな。

ううむ、これだけでこの記事を終わらすのも落ちが無く、なんなので、ちょっと近況報告も以下に。

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昨日も（も、と書くからには、けっこう夜公演の前とか昼公演の後とか、いろいろやっているのです）午後の公演の終了後に、山猫合奏団の2/10のコンサートのリハーサルに行きました。
今度は僕のアイデアで、“セロ弾きのゴーシュ”の前に、特別な演出に基づく、ドビュッシーの弟子のアンドレ・キャプレの作曲した、フォンテーヌの寓話（イソップの寓話とほとんど同じ）の歌曲をやります（といってもこんなやり方はあまり誰もしないだろうと思うので、楽しみに）ので、その構成を相談しました。

他にも、mingleやJ.P.S.のライブやコンサートも来月、再来月にあるので、様々な「その後」のプロジェクトが、この作品の大詰めを迎える時期に始動しています。

いつもの事だけど、こうやって毎日演奏して居る間よりも、公演が終了して数日後、きっと電車や風呂に入っている様なときに、頭の中にもう弾かなくて良いのになんらかの曲がループして鳴り続けたりするものです。
他の曲の練習をしなくてはならないはずなのに、、、。

前述の単発のコンサートとは別に、4月のGuys & Dollsの準備も具体的に来月中旬からはすぐに始まるので、電車の定期券はそのまま継続だからいつでもBic Cameraに行けるということで期待しているんだけど、公演中には、昨日世界的に発表になったiPadの実物を日本でも見られるようになるのでしょうか、、、。

ところで、僕らが今どんなに高い場所で演奏しているかを一発で分かりやすいように演奏場所に昇る移動式階段の写真を撮影してみたけど、やはり「舞台裏」の情報なので、公開は制限されました。
階段を何段上ってたどり着くかだけ、文章で記録しておこう。
明日数えます。

ずっと揺れながら弾いていたので、最初は面食らったけど今じゃ慣れて、逆に就寝中に地震が起きてもあまり気づかない体質になってしまったけど、あんな場所で演奏するのもきっともうほとんどないだろうから（再演があればまたありうるけど、どうなんだろうね、、、、）あと二日間、事故のないように最後の「雪降らし」まで安全に務めます。

楽屋の冷蔵庫も、意識的に酒のつまみもアルコールも整理されてすっかりきれいになってきました。
今回はほとんど男性ばかりだったので初日の差し入れ以外はお菓子は皆無で、個人的には実にありがたかったです。
アルコールと、酒のつまみで、終演後一時間はいられたので、すぐに帰る日もあったけど、なかなかポジティブな会話の多い楽屋であったので、楽しかったです。

4月もまたここに一ヶ月「逗留」するので、また新たに出会うミュージシャンたちとの乾杯を楽しみにしていたいと思います。

冷蔵庫がきちんとあるので、心配せずお菓子以外の食い物は大歓迎です。
電子レンジさえ、廊下を20歩も歩かずにあったりしましたしね（爆）
そう、シャワーもテレビもネットもできたから追い出されなければ狭かったけど寝袋を持ち込んで住んでも良いと思いました。

あ、ピアノだけなかったんだ。劇場に、、（爆）

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経営者の決断に勇気を貰った - 2010.01.26 Tue,00:21

僕は日常的に経済誌を読んでもいないし、投資もしてないし、ギャンブルもしてない（爆）

「音楽」、あるいは「ショウビジネス」の世界で息をしている。
息はしているが、タバコも吸わない（爆）
でも、暴飲暴食は、演奏と同じぐらいに、そして演奏とセットで、命がけで積極的に実践している（爆）

だから飲む相手や話す相手も、ほとんどが音楽家なんだけど、通常のクラシックの演奏家に比べたらミュージカルをやるので多種なジャンルのプレイヤーと出会えるし、役者やスタッフとも良く話す。

で、たまに、演奏会の仕事を通じて、会社を経営する人やお医者さん、その他多くの異業種の人たちと食事をしたりすることもあったりするが、それにしても多くの場合、音楽が好きなのでその場にいるから、音楽を通じて知り合うチャンスを得てきたわけだ。

最近、そうじゃない機会に、異業種の人と交流する場を与えられた。

詳しくは説明することもないと思われるので前提は省くが、一業種一人ということで、あるお世話になっている人に勧誘され、数ヶ月に一度、会食をし、それぞれの分野の近況報告や、業種を超えて、なにかしら参考になる意見を交換するという、普段、打ち上げで泥酔している僕を知っているひとたちからすると、実にお行儀の良い集まりなのだ。
（もちろんしゃべり出したら停められるまでしゃべっていることには変わりがないが（爆））

そうです、その場には女性は皆無なので、盛り上がっているとは書いたが、誤解の無いように。

本題に戻ろう。

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ある会社を経営している社長さんがメンバーにいらっしゃる。
年商はゼロがたくさん並んでいるのでその桁が自分にとってはすごい事意外評価の基準から逸脱しているのだが、、。

その会社も最近のこの経済状態の悪化で、経営上数十年築き上げてきた基幹業務をリストラしなければいけなくなったとの報告があった。
門外漢の僕にその苦悩とその根拠がわかるはずがない。

しかし、なんでこの集まりに招待されているか、その意味は自分で見つけなければならないわけだ。
ほろ酔いではあったが、短い言葉で説明されているなかに、その決断のなかに、実績のかなりの過半数を占めて来た分野をきっぱり見限り、今現在の割合からするととても低い分野で今後勝負していくという言葉があり、今自分も、自分の仕事の変化の兆しを見極めて今後の自分の方針を明確にして取り組む必要があると毎日考えていたので、すごく重い言葉に思えた。
いつだって生き残りをかけて仕事をしているんだ、みんな。

本当はもっと質問をしてそういう高度な決断をするまでに至った経緯を聞いてみたかったが、解散の時間が来てしまったのでそれ以上は分からなかったので、自分に都合の良い解釈で自分の事に置き換えるのは危険なのだが、物事を始めるにも勇気がいるけど、戦術的に時に「勇気ある撤退」というのも指揮官としては必要なんだな、とは言葉は簡単に記述できるが、その時期を誤るときっと結果が全く違ったものになることも多いのだろう。

野球やサッカーの試合を観てても、采配のタイミングが後で結果から振り返るに良いものも酷いものも、「もしあのとき」と考え出したらいろいろどっちの結果でも素人ながら思うことがあるからね。

特に自分の経営の元で頑張ってきた部下をリストラしなければいけなくなったという担当者そのものが自分の知り合いにも何人もいて、そのつらさといったら、もちろんクビにされた人やその家族も悲劇だけど、それを宣告する人の後味の悪さって、本当に気の毒に思う。

振り返って自分の人生にも何回も転換期があって、社会的な評価はともかく、まあ僕は自分一人のフリーランスだから、いつでも勝手にしやがれ状態ではあるとはいえ、これだけ数十年やってくると、フリーランスとは言え、肩の上につもってきた、良くも悪くも実績の積み重ねが、簡単にはリセットできないものもあったりするのだ。

音楽界全体からすれば、自分がたとえば、弾かなくなったって悲しむのはよっぽど近しい友情関係がある、聴衆や共演者ぐらいで、影響は何もないことは分かっている。

しかし、当事者からすると僕がある日突然「やーめた」といったら困る相手もいるわけで、フリーランスとはいえ、完全な自由を携えているわけではない。

しかしながら、やはり自分の人生は自分にしか選択できないわけで、ある困難なことを実現するためにはすべてのことが、「今まで通り」で出来るとは限らないわけで、自分が手放すことを恐れていることが自分の次の挑戦に躊躇を持ってしまったら、それこそ、フリーランスなのに、習慣に支配されている身の軽さからほど遠い存在になってしまう。

人間が新たな分野への挑戦をするときには、賛成する人とそうでない人がいるのは当然だ。

僕が大学への進学を決めたとき（音楽の専門ではなかったことについて）もほとんど誰も賛成してなかったし、それが結果として今の僕「失敗作」としてここにいるのか、でも評価してくれてずっとつきあってくれている人もいるわけだし、それが一般通念として、失敗だったとしても、それがあったから共演者や雇い主の下で今の自分がいるわけで、誰も評価はできないというよりは、立場によって評価はまっぷたつだろう。それはどんな仕事だって、誰だって、同じだ。

音楽家のスキルとして、他人に勝つか負けるか、ということについてはあまり興味はない生活を送ってきたつもりだけど、やっぱりきれい事はなしに考えると、自分がある光のあたっている場所で演奏して居ると、ふと、俺の前にもだれかここにいたはずで、なんでここに自分がいるのかわからんともおもった（もっと喜んで良かったこともたくさんあるが（爆））し、でも自分もそこには今いないところもあるし、逆もまたしかり。

今日現在自分が従事している仕事についていえば、十年前じゃ考えられない責任があるわけで、失敗も多かったけど、捨てる神あれば拾う神あり、であって、また捨てられるかもしれないが、拾われている間はもっと貢献すべきだろうと思うのは、やっぱり、この世は平等なんかじゃなくて、弱肉強食だということが経験上分かっているからだ。

平等というのは、チャンスに関してそうあれば平等なんであって、チャンスの到来そのものだっていくらでも平等じゃないことは多いけど、不公平なことに抗議したって（することに意味がないということではない、そういうために法律家がいるわけで）そんな暇があったら、牙を磨いて、不意打ちに応えないと、だれかに餌は奪われてしまうのだ。

自由業というのは、立場によっては道楽で生活しているようなものだ。
保証は普通の社会人に比べたら権利は所有していても実態は、自由がある分希薄なのは覚悟の上。

しかし、それだからこそ、流されて生きていく（書いておいて矛盾しているけど、風任せとか流れに乗る時も必要なんだけど）だけだと、誰も自分を「育ててくれるわけじゃない」わけで、それは、消耗品として使える間は使うけど捨てるときは簡単だ。

偉大なる自由業の野球の野村監督しかり、松井選手しかり、仁義を考えたら今年の転職は酷い話だが、あの人たちにしてあの結果を受け入れざるを得ないわけで、自分に置き換えたらやっぱり、風の向きを的確に判断し、時には勇気をもって、新たなことに挑戦したり、そのためには背負ってきたものも潔く捨てる勇気が必要だということを、音楽家ではなく、会社の経営者や、スポーツ界の動向から学ぶことしきりです。

言い換えれば、ピンチはチャンスでもあるわけで、自分の選択はいつ何時も仕事の事に於いてはネガティブには解釈しない自信はある。
恋愛は失敗ばかりだが（爆）

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ジーン・シモンズ訃報、そしてカミーユ・モラーヌ訃報、そして、、、 - 2010.01.24 Sun,22:54

今朝（2010/01/24）の神奈川版の産経新聞を朝開いたら、件名のとおり、訃報を目にした。

ジーン・シモンズといえば、僕にとっては、4月に演奏することになっているMusicalのGuys & Dollsの映画版で、主役の四人の中の一人、救世軍の軍曹サラ・ブラウンの役をやっていた美人女優である。

その仕事に関わらなかったらきっとこの訃報もそんなに目にとまらなかったかもしれない。

なんか、まったく脈絡は無いのだが、自分がとても好きになって、独奏のレパートリーに、カタローニャの作曲家、フェデリコ・モンポウを取り上げたばかりの1987年頃だったか、演奏会の翌日だかの朝刊に訃報がでていて、全く海の向こうの接点の無い人なのにその訃報を知り合いのそれと同じように感じたことがある。

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まあ、モンポウに関しては、その数年後、あり得ないことに、未亡人のカルメン女史に邂逅することになり、教えも受けることができ、もうちょっと早く知り合っていたら会わせたかったとまで言われ、感じ入ったことを思い出すのだが、今回ばかりは関係者に会うなんてことは無いだろうけど、この記事に書いたとおりで、僕にLuck be a Ladyを教えてくれたのも今は亡き大浦みずきさんだし、今暇があると観ている映画でその美しさ、そしてその圧倒的な演技力にはまってしまっているジーン・シモンズさんが亡くなったというのはやっぱり今この状況に置かれていると、僕にはこの仕事を成功させたいというモチベーションの要素の一つになってくる。

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そしてもう一人、カミーユ・モラーヌという人は、フランス人のクラシックの歌手だ。
98歳とか書いてあったから僕が好きなモンポウ（93～4歳まで生きた）よりも長生きをしたということだ。
僕がピアノ弾きとしてキャリアを積み始めた二十代のころ、ドイツ歌曲の先生とフランス歌曲の先生のところに良く訪れて様々な影響を受けていたのだが、後者のところでは、その先生のパリ留学時代の先生ということで、良くフォーレの歌曲などの演奏をレコードで聴かせて貰ったことを思い出す。

もう一人モンポウと同時代でもう一人僕の大好きなパリの作曲家、フランシス・プーランクと同じ時代の空気を吸っていた人だ。
生まれは1911年というから、フォーレはもちろん、ドビュッシーもラヴェルも生きていた時代だし、ストラヴィンスキーの春の祭典が初演されたのはその二年後だから、パリがもっとも芸術の息吹を感じるようになるまっただ中を生きた人だったと言うことだね。

プーランクとは日本式に言うと一回り下の世代の人だったからプーランクの歌曲は作曲家自身の演奏も知っている世代であり、僕はもちろん直接教えを受けたわけではないけど、なんという偶然で、自分の興味のあるレパートリーに関係する先達の訃報が同じ日に、しかも自分の読んでいる新聞に出ていたかということに驚いた。

そういえば、最近はプーランクのピアノ曲はおろか、歌曲も弾いてないな、、、。

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もう一つの記事は、完全に神奈川版のページだったけど、このブログの左側のコラム（携帯でブラウズしている人には関係ないけど）に告知してあるとおりの、5月に出演する、神奈川県の新百合ヶ丘というところで開催される芸術祭のことだった。
今回、山猫合奏団は、“セロ弾きのゴーシュ”で参加することになっています。
芸術祭の公式サイトのページへ

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芽ヶ崎って、、、(@_@) - 2010.01.22 Fri,10:52

先日、茅ヶ崎（地方の人に分かりやすく言うと、神奈川県の江ノ島のそばの、いわゆる湘南方面の町です。そして読みは、「ちがさき」です。）からミュージカルを観にきて下さった知り合いからもらった美味しいたたみいわしの包装紙に、芽ヶ崎、とあった。
下さった当人からの指摘で気づいたが、これってこの芽ヶ崎、否、茅ヶ崎フィッシュセンターのひと気づいてないのかね。
というより、このシールを作った会社のこの文字を入力した人は、どう入力したのか知りたい（爆）。

ちがさきと入力して、めがさきになるわけないし、茅ヶ崎を知らないで作ったとしか推測できない（爆）
味も美味しかったけど、ブログのネタを拾えてとても光栄でした（爆）

小せえ、小せえ、、、、、 - 2010.01.19 Tue,10:07

星の大きさの比較を教えてくれる動画なんだけど、最後の落ちというか、一番でかい星を飛行機で一周するためにかかる時間がすごい。

この投稿時点で、演奏しているミュージカル、SHE LOVES MEのなかで、主人公ジョージ・ノワックの職場仲間のラディスラフ・シーポスという男が、自暴自棄になっているジョージに、同じような比較のたとえで地球規模でみたら上司に怒鳴られたところで、そんな小さな事がなんだ！というふうに諭すナンバーがあるが、それを具体的に説明するとこうなるということだね（爆）

しかし、どこぞの首相の奥さんが行ったことのある金星って水星や火星より大きいって知らなかった（爆）

http://www.youtube.com/watch?v=HEheh1BH34Q

リスの水上スキー！ - 2010.01.18 Mon,23:19

すっげえ、俺なんかまだ人生で一度もやったことないのに、うらやましすぎる（最後の退場の仕方がじゃないぞ）が、良く覚えたね。
反復練習の成果ってすごい。
http://www.youtube.com/watch?v=2xxKwesCKJk

お節介シリーズ---砂糖の山 - 2010.01.18 Mon,13:52

ちょうど、猫ブログに報告したとおり、家のデブ猫が糖尿病と診断されたので、カロリーについて実に分かりやすく見せてくれるサイトがあったのでご紹介します。

http://www.sugarstacks.com/
に行くと、様々な食い物の糖分を角砂糖で表しています。

SHE LOVES MEを弾いていると、改めて映画“アマデウス”の中のモーツァルトの台詞を想い出す（加筆再投稿） - 2010.01.17 Sun,01:48

この記事は2010/01/16に投稿したものだが、ちょっと加筆したので、再投稿した。（日付は再投稿時になっている）

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件名は、たしか数十年前に見たモーツァルトの面白い伝記映画の中で、如何にオペラが可能性のある形式であるかをヴォルフガングが誰かに説明しているところで、

「芝居だったら何人もの人間が同時にしゃべり出したら何一つ聴き取れない状態になるだろうが、音楽に載せることによって違う立場の人間の発言がハーモニーになって調和する」

全く台詞自体正確である自信は毛頭無いが、このような要旨のことを言っていたのが印象的だったということを意味しています。

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この投稿時現在僕が演奏して居るSHE LOVES MEの中でとても面白い構造を持った曲が二つある。

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その内の一つが、舞台となる香水店に訪れている客のマダムたちのとても明るい「買い物を楽しんでいる歌」に重ねて、行き違いから社長と喧嘩してしまい、買い言葉で辞職した主人公のジョージに向かって、「仕事をしながらも惜別のメッセージを彼に送って見送る店員たちのメランコリックなメロディー」が見事にコントラストを伴って「楽しさ」と「寂しさ」を「同時に」鳴らしている。

もちろん、この音楽が成立するためには、開幕直後に、前者のマダムたちの歌が単独ですでに歌われているからなおさらそのコントラストが際立っているのだ。

しかも、曲の最後には、繰り返し使われてきた「ご来店ありがとうございました。」を意味する音楽が完全に惜別オンリーのメッセージになっているところがしゃれています。

こういう例は、最初に引用したモーツァルトを始め様々なオペラの重唱の中にもあるし、ミュージカルでもっとも成功した例としては、Westside StoryのTonightが、トニー、やマリア、アニタや、これから決闘に向かうシャークとジェッツで大合唱になるところが挙げられるだろう。
まったく同じ時間帯に別の場所でおのおのが今夜起こることへの期待が別々の立場でものを言っているのに音楽ではまったく同じメロディを歌っていることの面白さである。

これは音楽劇の音楽劇たる特徴だ。

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面白い構造といえば、もう一つ、SHE LOVES MEでは、ヴァニラ・アイスクリームというもう一人の主人公、アマリアが歌う恋をみつけた瞬間の独唱がある。

これが面白いのは、（説明するのはややこしいが）彼女は知らないのだが、目の前にいたジョージと、その正体を知らないで文通をしている「手紙のあなた」（実は同一人物）にたいして、いままでに無い態度に触れてなにか心おどってしまっている直前の回想と、文通相手に手紙をしたためていることが同時（ある意味別々とも言えるが）に起こっていて、これはもちろん一人で歌うのだからさっき例にだしたような「重なった歌」にはならないけれども、まったく違う二曲がコラージュの様に並べられている傑作だと思う。

方や、三拍子のゆっくりしたまさに、手紙を「静的」書いている音楽、そして、いままで喧嘩しかしたことの無い職場の友人が、恋人になってきた予感を舞台となっているハンガリーの特徴的な音楽形式のチャルダッシュのスタイルで、最初はゆっくり、そして情熱的に速度が増す「動的」な二拍子の音楽で独白しながら興奮が頂点にたつと、また手紙を書いていたことを思いだし、先ほどまで歌っていた三拍子に戻り、でも、またチャルダッシュになって、最後は、オペレッタの様な高い音域のカデンツがあって盛り上がって終わるというものなのだけど、これはやはりこの作品の中でもとても重要なアリアの一つだと思う。

しかも、ラストシーンでお互いの正体が明かされたときにこの曲が今度は二重唱になってリプライズするときの感動はなかなかのものだし、やっぱりすばらしい作曲家によって生み出された「構造」というのは何十回演奏して居ても色褪せるどころか、ますます面白く思うところです。

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エンターテインメントの世界にMusicalがあるから、目先（こういう時は耳先か（爆））の聴きやすさが優先され、単純に曲が並べられているように思う人もいるけど、結局これだって数十年の風雪に耐え、名作（隠れた、という枕詞が必要だとは思うけど）と呼ばれる醸成されたものになっているものには、残るべき理由があちこちに見つけることができるということだな。

出演者の紹介を上手く構成している最初の朝の店員たちの挨拶の歌や、さっき引用したアイスクリームの歌のあと連続してプリンシパルの登場人物たちの対照的なナンバーは続けざまに弾いていると本当に曲で個性を描き分けていて痛快です。

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ついでに言うと、先頃から4月に演奏予定のGuys & Dollsの音楽の予習を始めたのだけど、これも最初から小さなフーガの形式でギャンブラーたちの勝ち馬予想（三人いて三人とも違う馬を予想している）を表現しているところも痛快だし、僕は面白い作品に出会う運を感謝しなければならない。

そっちの作品は完全に古めのJazzのテイストで構成されているけどそういったポリフォニックな構造は明らかにクラシック音楽の昔からの形式の踏襲であり、それが実に良い味加減で（しかしながら歌う方は簡単じゃないね）ショウアップされているのを見ると、作曲もする僕には実に良い見本になる。

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枕木でも英会話はできます（謎） - 2010.01.17 Sun,00:29

乗換のためにどっかの駅のホーム（忘れた）で線路を眺めていたら有名な英語学校の名称が枕木（もう木じゃないが）にペンキで記してあった。

きっとECCってなんかの鉄道用語なんだろうから、鉄道ファンにはなにも面白がる理由はないのでしょうが。

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音楽家が作詞をすること - 2010.01.14 Thu,15:11

シンガー・ソングライターという種族がいるので、このタイトルを見てもなんとも思わない人が多いでしょう。

しかし、その歌詞がミュージカルとなると僕だけなのかも知れないけど、日本で住んでいると、作曲は作曲家、作詞はやはり音楽家というよりは、文学畑や演劇畑の人がするものだと思っていました。

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しかし、翻ってみると、僕が夏に演奏して居たSunday in the Park with Georgeを作曲したのはWestside Storyの作詞をしていたソンドハイムだし、この投稿時、演奏して居るSHE LOVES MEの作詞者も大学ではヴァイオリンだった人だし、4月にやるGuys & Dollsも作曲家と作詞者は同一人物だ。

僕がたまにお世話になる作曲家の池辺晋一郎さんも自作のオペラでは作詞をされているし、オペラではないけど、武満徹さんの歌曲の中には自作の詞のやつもあるからもしかしたら、僕が知らないだけでそんなに珍しいことではないのかもしれないけど、やはり僕の知り合いの作曲家とか音楽家で、ミュージカルの作詞をしている人はほとんど知らない。
いたとしても、きっとそんなに割合的には多いわけではないでしょう。

だから、夏にやったSunday in the Park with Georgeの「訳詞」が、キャリアとして稽古ピアノを長年やっていた僕の知り合いの人が担当しているのを見て、驚きと尊敬の念を持った。

音楽的に歌いやすくて、かつ観客が理解に苦労しない「歌詞」を、特に翻訳物のジャンルで作詞や訳詞をするのは並大抵のことではない。

実は今回（SHE LOVES ME）もリハーサル中に、数カ所、演出家や振り付け師、そして僕にも助言を求められて台本にあった歌詞を修正しなおしたところがあります。

そういう修正に意見を求められ、それが反映したことは経験が無いので、どこだかは言いませんが（笑）、その箇所になると、わずか一小節強で、一瞬にして通り過ぎてしまうのだけど、普段別の仕事で作曲して音符が聞こえるのとは違う喜びをちょっとだけ感じていたりもします（爆）

そういう「修正」は翻訳物の現場では日常茶飯事なんだろうけど、やっぱり全編を作曲家が作詞するという環境はやっぱりすごいと思います。

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SHE LOVES MEにショパンとブラームスが（爆） - 2010.01.10 Sun,11:27

現在上演中のSHE LOVES MEにカフェの場面があるんだけど、ウェイターがお客に挨拶するところもちょっとユーモアがあって、そこにはショパンとかプラームスとかが出てくるんです（爆）

たぶん設定は1900年代前半なんだからショパンもブラームスもいないはずなんだけどね（爆）（今回の演出はあまり時代設定とかあくまでリアルに外人風にとはとらわれてないと思われますが。）

外国のCDを聴くと僕らの台本がムッシュ（？爆）ブラームスと言っているところが、リストになっています。

確かにブラームスもリストもハンガリーに関係がある作曲家だけど、どうしてリストがブラームスに変えられたのかは僕も知りません。
しかもショパンを呼んだあと、マダムとか言ってるからもしかしてそれはジョルジュ・サンドか？

「ふ」に点々をつけるべきこと - 2010.01.08 Fri,16:31

オリジナルの題名そのものは詳しく知らないけど、この記事のタイトルはこの記事にあるパーティーの時に作曲家の池辺晋一郎さんが、お話ししていたこと（かつて雑誌に投稿された内容）のことです。

音楽家の働くフィールドは実に様々です。

そこで、主に舞台芸術の音楽を担当する作曲家の仕事の事を何というかというと、多くの場合、「付帯音楽」と説明されます。

そうです、オペラやバレエ、ミュージカルにくらべたら、明らかに音楽は主役ではないからです。

でも、

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同じ演劇のスタッフの肩書きとして、主に映画やテレビと区別する意味もあるのだろうけど（受注する仕事としては兼ねている場合ももちろんあるだろうけど）「舞台照明」とか、「舞台美術」というものがあるのに、「舞台音楽」という用語はほとんど認知されてないことへの疑問とそのスペシャリストを認知すべきだという心意気です。

そこでタイトルの意味に戻ります。
「付帯音楽」から「舞台音楽」への価値を伴った認知が必要だと言うわけです。

まあ広い意味でMusicalを含めても良いかなとは思いますが、主に一般のストレート・プレイと呼ばれる芝居や、ある意味ジャンルは定義されないからよく説明に困る僕がやっている一連の役者との合同作業の音楽なんかを意味しています。

たぶん、演奏会用の曲を作ることとテレビや映画の音楽を作ることと共通している事も多いけど、やはりそれぞれに独特の熟練を要する領域があるはずです。

作曲家という名詞をピアニストに置き換えて述べてみましょう。

一般の人にとって、ピアニストというと多くの場合「独奏者」の事を意味し、そうでない器楽や声楽の伴奏をしたり、アンサンブルしたり、オペラやミュージカルの稽古、あるいはオーケストラピットで弾いている職人たちは、なり損ないみたいに思われたりするふしがあります。

独奏を上手く出来る事、そしてさらに、それで生活が出来る事は、すばらしいことです。

でも上手な独奏者は、プロフェッショナルだけではなく、アマチュアの中に大変多いし、もしかしたら数曲のレパートリーをある水準より上手に弾く人は、純粋にそれで生活している人の数より多いかも知れない。

しかしながら、様々な音楽の産業の中で、部品として演奏したり作曲したり（指揮者だって）、需要と供給の関係の中で、そして、それぞれの状況に応じた職人芸、僕は音楽大学に行かなかったからこういうことを大学というところで果たして習うのかどうか知らないけど、それは立派な職能の領域であることは間違いない。

それは、芝居の中である意味即興性をもって自己表現ではなく部品として演奏することが可能か、あるいは突出した表現をすべき時に出来るか否かとか、そういうアンサンブル能力が独奏者の能力よりは必要とされる。
こんなことは演劇に関係ある部門でなくとも管弦楽だろうが室内楽だろうが、それは同じ事。

この間楽屋でジャズの畑のベテランが、「最近はアドリブさせるとすごく上手な子が増えてきたけど昔に比べてビッグバンドの経験がないから、いざ、アンサンブルになったときに合わせられない人も多いんだよね」ということをおっしゃっていて、こういう事については、ジャンルを問わないのだなと思いました。

ショパンやベートーヴェンなどのピアノ曲が上手に弾ければピアノを弾く仕事は何でもできるだろう、と門外漢には思われやすいのですが、それは十分条件であって必要条件ではないのです。

もちろん、独奏者になって暴れて欲しい瞬間がごくまれにあって、それができないと魅力に欠けるのではありますが、、。

本当は、いつも自分の名前が看板になる「演奏家」の仕事が最上位にあって、それだと生活ができないから生活の為にショウビジネスの仕事に手を出していると思われがちなんだけど、今の僕はある意味逆の指向になっています。

クラシックの演奏家をやめるつもりはないけど、コンサートで弾くのもたまにあればとても新鮮。
今従事しているような仕事（ミュージカルや、自作の舞台作品などで演奏すること）で僕は今まで経験してきたあらゆることをカンパニーに貢献できていると実感することが自分が音楽家になった意味を感じます。

だから僕は演奏家というよりは、舞台音楽家でいたいし、音楽を書くにせよ、アンサンブルで弾くにせよ、付帯音楽と舞台音楽の違い同様、厳密には伴奏（この言葉を嫌っているわけではなく、使うけどね）者ではなく、共演者でありたいと思います。

近々、この内容に続いて、アイデンティティというか、レッテルというかそういうことに言及しようと思います。

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あいご～ - 2010.01.08 Fri,00:47

久しぶりに猫のページにも投稿したし、仮想広告にも投稿したし、このブログもこのカテゴリ（顔に見えるものシリーズ）も実に久しぶりだし、今日は珍しく三カ所同時投稿でした。

だからこの写真の「顔」がびっくりしているわけでもないのですが、、、（爆）

ついに、SHE LOVES MEは、昨日の夜公演で29回になったので、明らかに中日は過ぎたということで、経験上これから千秋楽まではきっと前半よりはとても速く過ぎるでしょう。

実際に公演の密度は濃くなるけど。

もう次の公演の準備や別の仕事のリハーサルが同時進行で始まります。

でも同じ作品を何十回も触れているとそれまでには気づかなかったことが見えてきて面白いものです。

しかしこの「顔」、「目」の間にあるのはお医者さんの様でもあり、トンネル工事の人のヘルメットのようでもあるけど、「鼻」が縦に穴が開いているのが本当に残念だ。

ベロまであるのに。

この人は東京有楽町のそばの西銀座商店街にいました。

10シリング6ペンスって - 2010.01.06 Wed,23:27

この記事の投稿時、僕は東京の有楽町のシアター・クリエで、東宝制作のブロードウェイのミュージカルのSHE LOVES MEという作品に関わっています。

劇中で、あるオルゴール付きシガレットケースの値段が、10シリング6ペンスで売られているのだけど、これって、不思議の国のアリスの中の「イカレ帽子屋」の被っている帽子にも同じ額の値札が着いていることと「しゃれ」で繋がっているのかもしれないと思い始めました。

オペラでもミュージカルでも文学でも、門外漢には分からない歴史的な知識の前提が隠されていることが多いと思うのですが、わざわざあの値段をそうしていることは単なる偶然かもしれないけど、実のところどうなんだろうなって思って、、。

だれかそういうことに詳しい方のご意見を募集したいと思います。

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おおよそ関係ないかもしれないけど、モームの「月と6ペンス」も6だし、666とくれば、、、、、、（爆）

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