Sound Check - 2013.08.09 Fri,07:56
今日からの(僕にとっての他流試合の)コンサートの準備が昨日から会場で始まりました。
Guys & Dollsでもご一緒した、Bassの稲垣護さんと
Drumsの澁谷さんと、再び共演します。

サウンド・チェック@2013/08/08 posted by (C)白石准(belokamensky改め)
Viva Musical2 - 2007.10.10 Wed,15:47

そこのホールの自主事業で、5月にジキル&ハイドの名古屋公演でお世話になった指揮者の西野淳氏の紹介で、四人のすばらしいシンガー達と西野氏が企画構成司会を務めたミュージカルのナンバーのコンサートに出てきました。
出演者は、全員愛知県のご出身の方々でした。
河崎麻栄(岡村麻未さんという名前で東京では活躍されていますが、地元なのでご本名でした)さん、岩本やよいさん、永見隆幸さん、佐野文彦さんというそれぞれ、とても水準の高い(全員初対面だったのですが、びっくりしました。僕がたまに関わるMusicalの団体ではお会いしたことがなかったので)歌唱力の方々だったので、実に充実した仕事になり、楽屋や打ち上げでも仕事を忘れ、何年も一緒にやっていたようなユニットのような心の交流ができてたのしかったです。
それと、西野さんの選曲が実にすばらしく、僕の知らないミュージカルナンバー(どちらかというと最近の作品が多かった)も多く、それぞれ実際に彼が棒を振っていた曲がほとんどで、解説や上演当時のエピソードのお話も舞台上で初めて聞いて「観客」として楽しみました。
先日も埼玉オペラ協会でも司会がなかなかおもしろかったし、ちゃんと原稿をきちんと書いたトークというのは無駄がなく僕のようなフリートークしかしないやり方には脱線だらけなので反省しました(爆)
前日の正午過ぎからリハーサルが合ったのですが、会場に近づくまで、自分としては、初めて訪れるところだと思いこんでいました。
しかし、建物が見えてきたとたん、ここにかつて一度猛暑の夏に訪れた記憶がよみがえってきました。
そうです、2000年の夏に行われた“ザ・キッチン”というミュージカルの公演だったのです。
完全に来たことを忘れてました(爆)
その偶然は実はこの記事の一つ前の埼玉オペラ協会のコンサートに誘ってくれた会長が、このミュージカルのなかで「コック長」を演じていたわけで、この一週間の流れはいろいろな偶然とご縁を感じました。
打ち上げに行くときもびっくりしっぱなしでした。
だって、まったく月の明かりしかないような田んぼのなかにぽつんとたっているお店に連れて行かれたからです。
今回集った人数は多すぎないわけだしとても個性が際だつ感じがあって、これをパッケージにして売れたらいいのにねと話をして帰ってきました。
ジキル&ハイド大阪公演開幕 - 2007.05.11 Fri,09:30
東京公演をご覧になった人はご存知の通りオーケストラはピットではなく舞台上の奥で左右に別れて客席から見えないところで(舞台装置の配置によってはたまには視界に入るときもあるが)弾いています。
僕は上手(「かみて」、客席から見て右側のこと)側の指揮者のまん前にいるので、1ヶ月にわたる東京公演、およびその前のリハーサルでも一度も弾いてなかった「最も遅れて来た初心者」としては理想的な環境で弾いてます。
しかも主要なキャストが大阪からお一人初登場されるので東京公演の初日前のように何日もリハーサルがあったのは新参者の自分にとっても周りに溶け込む為には実に都合が良かった。
なにせ今回の公演はファイナル公演ということだそうだけど、キャストだけではなくオーケストラの中も、何回もの再演を経験している人がほとんどだからね。
三台あるキーボードのうち僕は9割方ピアノの音を出していますが、結構歌に直接絡んでいるから稽古ピアノの譜面と同じ感じのところも多く、歌い手の道標になってるのでやりがい満載。
だから自分だけ何回も立ち稽古の時に呼ばれて見学させられたんだな。
やっと解った(爆)
後はチェンバロの音もある。
それ以外は単独で歌や台詞に絡んでいるような時のハープとその他電子音的なキーボードのサウンド。
それ以外の鍵盤ぽくない音は他の二台のキーボードがやってる。
ほとんど全曲中休みがなく単独で弾いてる曲もあったりするので実にやりがいがあるし、今回のオーケストラでは、数年前に弾いたミス・サイゴンの時のメンバーも多く、指揮者を含めても一番の年寄りなので有能な若い人たちにいたわられながら(爆)楽しくやってます。
キーボードセクションには音色のセッティングをしてくれた専門の有能なスタッフもいるし、10年前はそれを自分でやらなくてはならなかったから最近は弾くだけでいいから気楽(譜面は気楽なんてもんじゃないが)なもんです。
繰り返し書くけどこの作品の曲は本当に素晴らしい。
ジキルとハイド - 2007.03.29 Thu,23:23
正確に言うとその前の週にも個人的に練習を見学しに行ったのではありますが、このファイナルと銘打った公演に参加するのはとても光栄なことです。
残念ながら僕はエキストラなので、東京公演は一切演奏しません。
http://www.umegei.com/m2007/jikil_hide.html
と
http://www.chunichi-theatre.com/presents/2007/5/5gatsu_p7.html
にある大阪と名古屋の公演のみ参加します。
今日はオーケストラと役者の歌合わせでした。
すばらしいストーリーと熱い演奏(まだ今日は僕は弾かなかった)と役者さんたちの熱唱に感動しました。
特に主役のお二人、鹿賀丈史さんとマルシアさんには圧倒されました。
今回のパートは、稽古ピアノをずっとされていた國井雅美さん(何度も彼女とは一緒に仕事をしてきたけど、この世界の第一人者と言って良い職人。)のエキストラ(キーボードは三人いるがその第一キーボードのパートで、主にピアノやハープシコードなどの鍵盤の音色)です。
自分も経験があるけど、稽古ピアノの人がそのまま演奏するというのは、そうじゃない場合に比べ、その作品に対する思い入れ、そして役者との理解度に於いて、他の追従を許さないところがあるわけで、僕は彼女の弾く様にある程度「個性の違いに寄る演奏のスタイルの違い」を出さない様に努めないと、彼女の弾き方に慣れている役者たちが違和感を感じてしまったりします。
もちろん指揮者を信頼して指示に従えばそれで良いのですが、こういう「長い仕事」ではその指示に含まれる情報だけではない「もうすでに出来ているもの」に新参者がその代わりをするのは並大抵のことではありません。
自分が今まで「初演」として参加した作品はいくつかあって、そのなかには稽古ピアノから参加したものもそうでないものもあるけど、そういうときは自分が為したことはある意味すべて正当化される気楽さもあったけど、これはもう四度の公演、そして今回はその最終章であるからしてその意気込みはカンパニー全体としてすごいものがあるし、今回僕以外にも初めての人たちもいるわけだけど、四月から一ヶ月は経験値を積む訳で、五月から僕だけ新参者になる(ごく一部役者さんもそういう立場の方がいらっしゃるけど)ので、最初からチームに溶け込めるかは僕のスキルにかかっているので責任重大で(結構ソロっぽく裸になるところもあるし)実際に楽器の前に座る時期になったら相当ピリピリするのは必定。
ただ、救いは指揮者の真ん前で演奏できるので、指揮者の西野淳氏自体とても分かりやすく指示を出してくれる人なので、良い結果が出せる様に明日の通し稽古を、ゴーシュさながら「眼を皿の様にして」見学しようと思います。
明日はその練習の後、西宮に向かい指揮者の佐渡裕氏から声をかけられた別の仕事に向かいます。
その件はまた後日。
★2007/2/11ボブ・佐久間&京響ポップス,バレンタイン「花のコンサート」 - 2007.02.12 Mon,22:00

今回は「花」というタイトルに関係のある曲ばかりで、歌謡曲からジャズ、クラシックの名曲入り乱れてのコンサートだった。
この手のレパートリーをするときは、京都市交響楽団(以後京響)で二年前から毎年一回から二回このメンバーで共演をしている。
写真(実はこれは二年前の初共演時に撮ったもの)の左からドラムスの江森文男ちゃん、そして右がベースの大塚功ちゃんです。
今回は僕にも1コーラスアドリブソロがあって、この二人のサポートでとても気持ちよく弾かせてもらいました。
そういえば、東京のオーケストラの仕事で僕がアドリブなんかするような状況はここ数年なくて地方の仕事に行くとこうやって「そっちの方が多かったり」するのは面白い傾向で、東京圏で僕を聴き続けている人にも見せてないある意味面白いシーンではあります。
通常のオーケストラの仕事と違い、鍵盤の譜面は音符ではなくコードしか書いてないものがほとんどだったのだけど、唯一クラシックっぽくすべての記譜が音符で書いてあったボブ佐久間氏のオリジナルの「SAKURA」がとても印象に残りました。
日本のメロディのさくらをモティーフにつぼみとか朝だったりさくら吹雪や夜桜など、いろんな情景を管弦楽の色彩で表現していました。
優れたアレンジャーとして有名な彼の他の曲もとても弾きやすく、この手の仕事としては、南安雄さんの作品とともに僕のもっとも楽しみにしている仕事です。
あと僕にとってのトピックは、かつて東京交響楽団のコンサートマスターをされていたグレブ・ニキティンちゃんが、最近このオーケストラに移籍していたことは知っていたけど、数年前に何回か東京でDuoやTrioで共演して以来の再会だったことがうれしく、考えてみたらオーケストラの中での共演は初めてだったし、今回のアレンジにはヴァイオリンのソロがあちこちにあって、息をのむような美しさで観客だけでなく僕らも魅了されました。
岡田真澄さん御逝去 - 2006.05.30 Tue,00:21
彼とは実は二度、Musicalでお仕事をご一緒したことがあった。
一度目は、ラ・カージュ・オ・フォールという作品で、しかもその公演中に体調を崩されて倒れた俳優さん(この役はほとんど主役)のピンチヒッターとして突如呼ばれて、一日でまた舞台を再開させたのだった。
かつて一度演じた役だったとはいえ、数年ぶりのことで練習期間は一日しかない。
結構出番が多い役だから普通の人だったらそう簡単にはいかないと思います。
台詞と歌と動きを彼が覚えるためにやった特別練習をオーケストラピットからみていて、彼の気迫とそれを成し遂げてしまったキャリアのすごさに感動し、またそれを周りのキャストとすべてのスタッフが一丸となっていました。
特に、この芝居の主役である「妻」役の市村正親さんの練習中の気迫が凄かったことも覚えています。
大突貫工事をした翌日の「再初日」では、最初にナイトクラブのボスということで、観客に向かってお店の宣伝をするのですが、もちろん正確には覚えてないけど、
「みなさんお久しぶりです、しばらく旅行に出かけていましたが、ついさっき帰ってきました。どうもご心配かけました。」みたいな内容のアドリブの台詞で、観客をもすべての出演者に対しても、ほとんど固唾をのんで「現実の状態」を心配し、緊張して始まったはずのショウが、「まさに現実と虚構が入り交じった挨拶」によって、一気に「舞台上の世界に」持って行かれて、その瞬間「今日は絶対に大丈夫」と確信したものです。
なにか武者震いというか、気持ちの良い鳥肌立ちながらその台詞を聴いた途端ピアノを弾いていましたよ。
実際市村さんの演技もいつも凄いのですが、その日の歌は格別オーラが凄かった。それにもみんな引きずられていったのだと思います。
サッカーで「局面をドラスティックに変えるパスとかシュート」とかあるけど、あの「前振り」はまさにそれでした。
彼の人柄とキャリア、普段からダンディであることは誰も否定しないと思うけど、これこそお洒落に、みんなを「普段」に戻したプロフェッショナルの余裕の魔法でした。
その日のカーテンコールは女性のキャストは熱狂する観客の前で、まるで千秋楽のような涙を流していました。
昨日、アマチュアの大人のための発表会をやって、そのゲストで仲良しのあべちゃんという人とその作品のことを話題にし、懐かしがっていたから、このニュースのタイミングの一致に驚いています。
そのあべちゃんと出会った作品でもある、
★2005/12/23,24フィリッパ・ジョルダーノ,クリスマスコンサート - 2005.12.24 Sat,10:39

昨日初日の演奏が終わりましたが、演奏者は皆さん水準の高い方ばかりで、フィリッパの「そのたびに違う(爆)テンポの違い、間合いの取り方」にしっかり着いてきて下さいました。
歌の伴奏は長年僕はしてきているので、そのたびに違う事をされるのは、「独りでピアノで歌い手に着いていく」上では何も困らないのですが、8人の仲間を引き連れて、予想外なタイミングに対応するのはさすがに大変です。
でも歌い手の気持ちも分からないでもないし、彼女の声はもちろん、美貌に視覚が「やられてしまっているので」(爆)、彼女に対する不満はありません。
本番ではドレスを着ているのでわかりませんが、リハーサルのときに、ミニスカートで登場するとき、その脚の美しさに気絶するかと思いました。(^_-)
なんだか、マエストロ、マエストロ、といわれて本番もトーク中に僕をつれだして、漫才状態になってしまい、終演後それが面白かったらしく「明日も頼むわよ」と言われ、今回は白石准の「語り」は無いはずの仕事なのにどうしてくれる!(謎)と思いました。
昨今世の中をにぎわしているマンションやホテルの構造計算書偽造問題にもちょっと共通することがあるのですが、今回の譜面が最悪です。
何が最悪って、音楽がきちんと演奏されるために必要な、表情記号、ダイナミックス、スラーの類がいっさい無いのですが、まあその位なら職人達はなんとか練習のときになんとかできますが、歌のコンサートの伴奏をするのに、歌詞が書いてない(!)から、練習のストレスはすごかったですし、演奏上の事故がきわめて起きやすいし、起きたときの対応がとてもしにくい状態です。
音楽の中で暗黙の内に共有している最低限の「耐震能力」が暗黙の「法定内」で満たされているとは言いがたい状態です。
しかもピアニストが指揮をすることを前提としているのに、与えられた譜面は、ピアノの「パート譜」、つまりピアノが弾くところしか書いてない状態だったから、他のみなさんがなにをしているかも歌い手が何を歌っているのかも分かりません。
基本的にはピアノ以外のパートの人はそれでよいわけですが、つまりそのまま演奏したら、みんなをまとめている僕が全体像を俯瞰せず演奏することになります。
それはあまりに危険なので、自分はスコア(全部の音が書かれている譜面のこと)で弾くことにしましたが、ピアノのパートと歌のパートがマンションで言ったら3階と7階くらい離れているところに書いてあるから弾きながら歌をみるのはとても難しいし、しかも歌詞がないから微妙なルバートに着けるのをどうすればいいのだということになりますし、譜めくりが4小節ごとに行われるので譜めくりの人がずっと立ちっぱなしで気の毒だ。(爆)まあそれは製本することにより 8小節ごとにめくることに改善できたけど、それでも忙しいことに代わりはない。
なかでももっともやばいのは、シューベルトのアヴェ・マリア。
この曲だけたぶん違うアレンジャーの作品で、どういうわけだか、ピアノとキーボードと歌のたった三人で演奏する曲なのに、スコアがないどころか、メロディーと歌詞のパートが僕のピアノのパート譜には書いてない。
もちろん知らない曲ではないけどピアノのアレンジがオリジナルとは全く違うし、ドイツ語で歌ってないし、めちゃくちゃテンポが伸びたり縮んだりするからもう、すべて動物的な「勘」(爆)で弾くしかない。
それは彼女に責任があるのではなく、音楽を建物にたとえれば、「設計図」である楽譜をちゃんとすれば何とでもなる話です。
これは譜面に明るくない人には分かってもらえないかも知れないけど、音符が書いてあればすぐに読めるとおもうでしょ。違うんですよ。
コンピュータで書かれた譜面にはきちんと推敲しないととんでもなく「読めない音符」が多く出てくるのです。
異名同音といって、文法上、ファの♯で書くべき処をピアノの鍵盤なら同じということでソの♭で書いてあると、実は頭に直感的に和音が浮かばないものなのです。
そういう箇所があちこちにすごく多いので音楽をしながら「流れ」で音をあらかじめならすことがとてもできないから、ストレスがすごい。
現場の「施工」をする人間にとって命綱の譜面がこれほど酷い仕事は経験の無いことではないが、それさえきちんとしていたらもっと楽しんで、楽に、できます。
そういうチェックはなぜ事前にされないのか理解に苦しむし、この編成では彼女も初めて歌う状態なのに、だいたいアレンジャー(だれがしたのか誰も知らない(爆))が立ち会わないのも腹が立つ。
エピソードとすれば、昨日のコンサートでは今までに経験したことのないヤジが僕らの演奏(フィリッパが着替えている間に演奏されたヴァイオリン、チェロ、ピアノによる三重奏)に向けられた。 それは意外なほど聴衆の方に賞賛して頂けて、最初は立ってお辞儀をするつもりもなかったけど、挨拶をしていたら、ブラヴォーの声につづいて文章が舞台に飛んできた。
大意としてはとてもありがたい賞賛の言葉だったのだが、そのうちエスカレートしてきて、分別のある大人なら言ってはいけないこと(だから書かない)まで達し、こっちは感謝の会釈をするしかないが、ああいう褒められ方をしても困ってしまいます。
しかし、マイクを使っていないのにあれほど明確に言葉の内容と声量があった方で、ヤジの内容は困惑するばかり(故に動揺してしまい、次の曲の頭の合図や弾くところを間違えた(爆))だったが、オペラや舞台の役者になればすごいだろうなとか関係ないことを同時に思ってしまった。(爆)
いろんなやばいことは起きているけど、全体をみれば、すばらしい共演者に出会えて楽しい仕事です。
2005/12/23~5オペラ“ヘンゼルとグレーテル”佐渡裕プロデュース - 2005.12.21 Wed,20:35
まさか本公演の稽古ピアノまでするとは思ってなかった。
やった仕事は、オペラの世界ではコレペティトルという役名だが、自分としてはミュージカルのリハーサルピアノは何回かやったし、オペラのアリアをコンサートでピアノで弾いたりオーケストラの一員として弾くという仕事は数多くやってきたが、オペラの公演のリハーサルに関わるのは初めての経験だったので、敢えて稽古ピアノということで記す。
実際にオーケストラが演奏する状態になるまで、歌手達のリハーサル時にそのかわりをピアノでつとめました。
本番ではもともと鍵盤のパートはないし、演奏には参加しません。
今回副指揮についたのは、2001年に東京を中心に行われたミュージカル“キャンディード”の時に出会った、矢澤氏、永野氏だったので懐かしかった。
矢澤氏とは今年の初夏、ウィーンに行ったわけで今年は、二度も長期間の仕事を一緒にしたことになる。
キャストの中には、初めての人ももちろんいらしたが、別の機会に共演したことのある人もいて、新しい出会いと再会を喜んだ相手もいて楽しかったです。
この投稿時点では、本番の日が訪れてはいないが過去形で書いたのは、先日19日をもって自分の仕事は終了したからである。
いろいろ忙しかったので佐渡裕氏とは話す時間があまりなかったが、この公演の事を含め、劇場の責任者でもある彼から、いろんな夢を聞かされたなかで、今後もこの劇場を中心に白石准が出来うる新しいことを彼と実行すること(事業が実際に動き出したときに具体的に内容を開示しよう)を頼まれたのでとても心意気を感じて帰ってくることが出来た。
新しいオーケストラは全員三十代半ばより若い人たちで構成され、国籍も様々(半分くらいは日本人ではなかった。)、たしか在籍は3年間だったかな、そういう試みは他のどこでもないわけで、既製のオーケストラを基準に考えた視点からはいろんな批判もあるだろうが、僕はこの「制限」の中だからこそ生まれてくるエネルギーを感じ、まだ荒削りなところはあるとは思うが、素晴らしい可能性を実感してきました。3年後の成長も楽しみだし、またほとんどメンバーが替わって違うサウンドになる(それをやっかむ人がいるとは思うが)のもまた新鮮じゃないかと思います。
そのほかにも、劇場を「本拠地」とするオーケストラは最近、僕が一番世話になる新日本フィルハーモニーやオーケストラ・アンサンブル金沢など、いくつかでてきたけど、劇場がオーケストラを持つという、たぶん西洋では当たり前の事だけど日本ではなかなかなかったこと(初めてかどうかは詳しくは知らないが)と、子供達のオーケストラもあるし、それを含んだ教育的な色々な試み、そして地元への結びつき(アウトリーチ活動)などなど、様々な情報発信を佐渡裕氏がやり始めたことに末席で関われたこと、しかもこのオペラのカンパニーとしては、二年前のプレ事業から参加したことは誇りに思いました。
二日間の舞台稽古を見てどんどん、すべてのセクションのテンションが高まってきたし、成功を祈るだけです。
余談ですが、昨日帰ろうとしたら、いきなり、開演のベルを劇場の装備されているものではなく、ヘンゼルとグレーテルが踊る曲の一節をチェレスタで弾いて録音してくれと、いきなり言われ、もともと本番では演奏しないし、本番を前に帰っちゃう(爆)し、カンパニーのみんなへの置きみやげにはちょうどよいなとも思いながら、録音させてもらいました。
ゆえに僕の事を知っている人で公演に来る人は40秒弱、僕の演奏を開演直前に聴くことが出来ます。(爆)
そうそう、余談その2。
大がかりなオペラやミュージカル、バレエの公演は助成があったにせよ、かなりチケット代は高くなるものだけど、今回の公演は最高に高くても6500円だし、安いのは2000円の席もあるし、マネージメントをしているセクションは大変なご苦労があるとは思いますが、「気軽にオペラを見る」という意味に於いては画期的な事だと思いました。