jeu de timbresは鉄琴じゃなかった - 2006.09.06 Wed,00:53
チェレスタ(celesta)の構造はこの記事に紹介してあるので参照して欲しいが、今回チェレスタに並んで演奏されたジュ・ドゥ・タンブル(jeu de timbres)という楽器は外見はチェレスタにそっくりで、違いはその音域が少ないだけで、叩くハンマーの形状が違うだけだと思っていたけど、良くみたら(糞、写真を取り損ねた)鉄琴のような「板」ではなく、縦に立った小さいパイプ状の金属を、しかも下から(つまりチェレスタとは逆、チェレスタは上から打っていたね。ということは方向的にはピアノと同じ)打っている。
想像通り打つ素材そのものは金属だったけど。
プロのオーケストラであってもこの楽器を所有しているところは少ないはず。
今回演奏した新日本フィルハーモニーもほかの団体から借りていた。
メーカーだって製造したところで使う曲はチェレスタでさえそう多くないのにこれだと、たぶん有名どころでは数えられるしかないだろう。
この曲はorchestraの名曲としてファンも多いし、演奏頻度も多いけど、生で客席に居たら鍵盤奏者を観察すると良いです。
同じ事をやっているのが二人いるわけではなく、それぞれ「別の」楽器で違う場所で弾いているということがもしかしたら判るかも知れません。
話題からそれるけど、珍しい楽器でいえば、このダフニスとクロエでは、ウィンド・マシンというものが駆使される。
リヒャルト・シュトラウスのアルペン交響曲でも使われるその楽器はまるでラジオドラマの効果音の道具を持ち出したような、「打楽器」というには無理のあるどのジャンルにも属さないものでしょう。
そういう意味でもこの曲はCDで聴くよりは実際に聴いた方が面白いと思いました。
何回もこのオーケストラで弾きましたが、その度にフルートの独奏をする白尾さんという首席奏者は本当にすばらしい。
毎回聴いているとぞくぞくします。
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★2005/9/5新日本フィルハーモニーサントリー定期第404回 - 2006.09.03 Sun,06:28

やっぱりなんやかんや言ってこの曲は本当に美しい。
鍵盤楽器は、チェレスタとジュ・ドゥ・タンブル。
写真の右側が前者、左側の小さい方が後者。
自分は今まで数回弾いたのは後者の方だけど今回はチェレスタ。
弾くところは本当に少ないから半分はお客の気分。
気持ちよくて毎日練習でこの音の渦のなかにいることが幸せだ。
ジュ・ドゥ・タンブルはたぶんチェレスタより前から存在する楽器かも
しれない。
モーツァルトの魔笛にでてくるパッセージはこれで弾いてたのだと思う。
グロッケンシュピール(鉄琴)を鍵盤で弾くと思えばよろしい。だから
キラキラした音がでる。
チェレスタは同じ鉄琴を打つ材料がピアノのハンマーの様に柔らかいか
ら音色が全然ちがう。(チャイコフスキーの胡桃割り人形の金平糖の踊りまで待たないとこの楽器はでてこない)
しかもこの曲のなかでだいたいは同時に演奏してないのだが一カ所だけ
盛り上がるところで同時になるから二人奏者が必要なのだ。
前にも書いたけどラヴェルはたぶんこんなに暇に書いたのはこれらの楽
器は打楽器奏者が演奏するように考えていたのだろう。
オーケストラの音楽にあまり普段触れることのない人はこれから入門す
るのが最適だと思う。
しかもCDではなく生演奏で聴くのが一番だ。
バレエのための音楽なので、楽器の出す音で様々な具体的な自然の中の
音を味わうことや理屈抜きに音の渦のなかに溺れて快感を得ることがこ
んなにも楽にできる音楽も珍しいと思う。
今回指揮者のアルミンク氏は、さかんに「ドイツ風な音を出さないでフ
ランス風の色彩感のある音をだしてくれ」と要求する。
それは主に音の立ち上がり方への注文だ。
もっとふわっと立ち上がって欲しいということみたいだ。
そういえば、ストラヴィンスキーやドビュッシーの管弦楽曲(協奏曲で
はなく)には素材としてピアノが入ることがたびたびあるが、ラヴェル
のそれは絶対にピアノはないね。
鍵盤を使うときはチェレスタだね。
そこに彼の色彩感が現れてるね。
ピアノ曲をたくさんかいているけどそういうときはピアノの裏に管弦楽の色彩があって管弦楽のときはピアノを使わないのだ。
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