Rolandの創業者、梯さん、グラミー賞受賞おめでとうございます! - 2012.12.15 Sat,12:43
梯(かけはし)郁太郎さんが受賞された事を知った。
http://mainichi.jp/select/news/20121215k0000m020143000c.html
シンセサイザーや電子ピアノ、電子オルガン、そして、今回の受賞された部門、電子楽器やそれとComputerを繋ぐ企画のMIDI(Musical Instrument Digital Interfaceの略)に関して制定、そして各社のばらばらだった企画を統一して互換性を高める事を提唱し、実現した、GM(General MIDI)の規格。
もう相当なお歳であるのに、衰えることの無い、もの凄い創造欲に溢れた偉人の一人だと思います。
やっぱり何か他の人のやらないことをやり始めた人というのは凄いオーラがあります。
このblogを見に来ている人も、僕のほとんどの共演者も、習っている人も、僕の事を、Pianoなどの「生の楽器」を演奏し、そういうclassic系の作曲をする人だと認識しているでしょうが、どっこい、1/4以上は電子楽器とは密接な生活をしているのは、Rolandとのご縁がきっかけと言って良いのです。
僕とのファーストコンタクトが、電子キーボードだった場合、僕は「Keyboardを弾く人」と認識され、かつて、黛敏郎さんご存命中の「題名のない音楽会」の収録の時、Synthesizer奏者として参加していて、たまたまPianoが空いていたので休憩中弾いていると、スタッフから「え?白石さんって、Pianoも弾けるんですね」と云われた事だってあるわけですよ(爆)
初めてRolandという会社の人達とご縁が出来たのは、昭和天皇が逝去される直前、様々なコンサートが自粛ムードで中止されていた時期ですから、平成になる直前の事です。
その後、1992年頃だったか、日中友好20周年記念のイヴェントで、テレビ朝日のクルーとRolandのクルーと一緒に北京まで行って、シンセを演奏してテレビに出て「八木節を歌ってきた」という白石准の隠された人生のエポック(爆)、がありましたが、それをきっかけにとてもRolandと近くなりました。
現地のプログラムには、「白 石准」と、名字が「白」と綴られていたし(爆)、そのコンサートの折り、舞台袖で僕をみて居た、向こうのオーケストラの人たちが居たが、彼らにとって、僕がMozartを弾くなんて信じられないだろうなと思いながら弾いていたぞ(爆)
当時は、クラシック音楽系の音楽家でMIDIに傾倒している人はあまり多くなかったので、Rolandのセミナーやシンポジウムに頻繁に呼ばれて仕事を頂いていた折に、梯さんとは良くお会いして、僕の事も面白がって下さっていたし、まずその尽きぬ情熱に圧倒されたものでした。
(もし僕が演奏家を廃業して会社員になるとしたら、絶対にこの会社に入りたいとまで思った時期もあります。)
だから、そのご縁で、もう今は現行機種では無いけど、かつての家庭用の電子ピアノのデモ演奏には僕が弾いたグリークの小品が入って居たりします(爆)
(その録音は浜松のファクトリーでやりましたが、ほとんど明け方近くまで掛かって、朝9時に東京の玉川大学に戻って授業があったので、寝ないでRolandの社員と始発まで飲んでから行ったら、学生に「お酒臭い」と言われたことを思い出した(爆))
Wikipediaにもその一端が紹介されていますが、それだけ摘まんで読んでも、「ただ者では無い」感じがするでしょう。
彼の自叙伝もかつて読みましたが、その生涯は波瀾万丈、読み物としても面白いのでご紹介します。
![]() | ライフワークは音楽 電子楽器の開発にかけた夢 (2001/04/11) 梯 郁太郎 商品詳細を見る |
どこか、誰も考えなかったことを着想するという点では、Appleのスティーヴ・ジョブスに似ている所を感じます。
(Mac遣いの僕にとっては残念ながらRoland製品は、AppleよりWindows寄りなところが多くあったけどな(爆))
今は日本の企業がとても元気をなくしているけど、この分野じゃ、世界のブランドとして誇りを持って「日本の造ったtechnology」の会社と言えるものでしょう。
僕の人生に於いて、RolandとAppleのMacintoshという二つの夢溢れる20世紀の新しい会社の製品との出会いがあったからこそ、譜面は鉛筆を使わず、1991年くらいからMacのFinaleで書くようになったし、Musicalの中でSynthesizerのマニュピレートを覚えたし、電子楽器を弾くことが「片手間」ではなく本気の仕事になったし、MIDIを使って作品も残したし、20世紀に産まれたのだから電子楽器抜きの音楽生活は考えられないし、それを「きわもの」として考えているclassic系の人が居るとするならばそれは完全な間違いだと思います。
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東京狛江のecorma hallのlobbyで山猫合奏団の二人で演奏してきました。 - 2011.06.18 Sat,00:01
演奏したのは、山猫合奏団の高山正樹と白石准の二人で、白石准の作曲した“注文の多い料理店”と“どんぐりと山猫”でした。
なお、ロビーですので、コンサート用のグランドピアノが無く、今回は、Rolandの協力を得て、スーパーナチュラル・ピアノ音源を搭載したDigital PianoのFP7Fで演奏しました。

演奏中のこれらの写真は、5/1の“オツベルと象”の初演の時にも取材して頂きずっと応援して頂いている、k-pressというこの地元の話題を専門に扱うnet新聞の記者で、安永さんという方にご自分の撮影の合間に無理を言って撮って頂いたものです。
今回はロビーということで、天井が高いので、後で話を伺いましたが、上で撮影していた時、安永さんの耳は下で聴く音よりも相当良い音を感じていたそうです
だいたい、音楽会は高いところで聴いた方が良い気持ちになりますね。
僕が驚いたのはスピーカーから出ていた音でもそういう違いが出るという点で、しかも後ろからだった筈だけどやっぱりそうなんですね。
僕らの正面にある大きな窓ガラスに演奏した音が反射もしていたのでしょうか。

この、左手だけで弾いているのはどの場面だろうな。
真ん中に用意されている椅子だけではなく、本来ロビーの窓側にあるソファで聞いている方々もたくさんいらっしゃいました。

高いところから撮った写真はこの二階席のロビーのところからでした。
今回十数種類の登場人物の声を使い分けた高山正樹ですが、結構、そのキャラクターの使い分けでお客さんに笑いを誘ってました。
先日苦労して初演を迎えた“オツベルと象”では全面的に音楽が主導権を握っていて、「朗読」という立ち位置は完全に捨てざるを得なくて、メロディーがついてないところまで、全部音符で書かれていた訳で、かなり役者の自由度を縛り付けてはいましたが、今回取り上げた二つは、「朗読」の部分も多いので、久しぶりに彼としたら自由があったのではないでしょうか(爆)
“どんぐりと山猫”ではPianoの音だけで弾きましたが、せっかくDigital Pianoで弾くわけだから、“注文の多い料理店”では、何種類かの音色(この場合は「ねいろ」ではなく「おんしょく」と読まれることを想定しています)を使い分けました。
作品に依っては今後、そういう音色Variationを想定した曲作りもありだなとこの時以来思っていますし、今回は当日にこの楽器と出会ったため色々高度な仕込みができなかったのですが、今後は「しょうがなくてDigital Pianoを使っている感」をもっと払拭して、まるでこの楽器の為に書かれたかのような体裁に成長させていきたいと思います。
そうすれば、屋外での演奏も可能かも知れないし(爆)
終演後ホールの方とお会いしてご感想をお聞きするチャンスを得ましたが、一番嬉しかったのは、僕らが狙っている「朗読に背景音楽がついているやり方」ではない「音楽主体の独自のジャンル」ということを感じて頂いていたことです。
音楽の流れと言葉の溶け合い方についてのありがたいご感想は勇気をもらいました。
まだ僕らを聞いて頂いてない方々には本当に想像されるものとはたぶん違っていて、終演後様々なお客さん達に「これを聞いてない人に言葉で説明するにはどうしたらいいか」と訊いても皆さん本当に困った顔になります(爆)
でも本気でキャッチフレーズを考えないとどうしても認知されない状態が様々な弊害を産んでいることは事実です。
なんとかしなきゃ。でもそう言い続けて30年、、。

盛大な拍手感謝です。

最後に、今回設営された客席の後ろに拡がる景色を紹介します。
このホールはほぼ駅に直結している建物で、下にはバスターミナルが見え、そしてあんなに駅の近くの土地を保全している森があります。
しかも一週間に一回くらいしか解放しないそうです。
中にはカワセミも居るそうで、それを聞いたら撮す為にまた来なきゃとは思いました。

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もっと好奇心を持とう。Rolandを讃えて - 2011.06.01 Wed,11:19

「A子は音符が苦手だから教えようとするんだけど、全然受け付けなくて」と。
そこでふと思った。
この記事はその先生を責めるのではなく、そこから思ったある意味無関係だけど、ちょっと繋がるかもしれないことを独自に展開しますよ。
かつて、前世紀の最後の頃、僕はRoland社から頻繁に講演を頼まれていたことがあって、それは、今じゃpianoを習う子供たちの大半が、Digital Pianoで練習しているわけだけど、教える先生達が、単にその楽器を「夜練習するのに近所迷惑でない楽器」という認識しか持たない事に対する、抗議のメッセージでもあった。
雑誌にも寄稿したことがあるし、その講義の模様をかつて記事にもした。
21世紀になったけど、ある程度、それを使いこなすPianoの先生は増えていると信じたいが、少なくとも僕の周りのPianoの先生で、computerで自在に譜面を書いたり、Digitgal PianoのSequencerの機能を使ったLessonをしている人を知らない。
自分たちが先生から習った世界観のまま、自分が教える立場になって同じ範囲にしか視点を展開してないのを見ると、本当に哀しくなる。(教育だけでなく、演奏のアプローチも)
時代は三十年前と確実に変わっているし、すべての分野で、紙に書くことプラス、computerのdisplayに映し出して作業を行うことがあたりまえになっているのに、PianoのLessonの現場はどうだ。
僕は良く、女性のそういう人たちに、もっとComputerを使って音楽の教育に幅を持たせたらどうだ、と主張するのだが、みんな「私は機械に弱いから、そんなこと出来ません」と答える。
じゃあ、訊くが、あんたは、電子レンジを使っているだろう、と言う(爆)
あの機械の中身の構造なんか知らなくても使ってるだろうが。
そんなたとえをしなくても、冒頭のたとえで十分かも知れない。
そういう答えを聞いたときの僕の気分は、音符を読めない人に、音符を読めた方が得だと思うので、教えようとしたら、「私苦手なんです」の一言で、心のシャッターを閉められたときと全く同じで、どう思うか想像すればいい。
今の若い人たち、Popsではなく敢えてclassical musicの演奏家にfocusを当てるとそういう中には、電気を使った音楽を演奏する人が増えている。
単に音楽的な趣味の問題だけじゃない。
僕も現場で覚えざるを得なかった電子楽器、それは「しょうがないからこれで代用」という現場は確かにあるが、僕らの先生の世代が、「際物」としてなんら重要視しなかったそれらの楽器の存在感は、J.S.Bachが晩年にPianoの試作品を見てほとんど興味を示さなかったことに等しい。
Bachの息子達、そしてClementiやHaydnやMozartがこの楽器に注目したからこそ、それから新しい時代が来て、19世紀は完全にPianoの時代になったのだ。(この時代は作曲家の興味がこの楽器に向いたため、管楽器の独奏曲には完全に不毛の時代になりました。)
それと同じ事がSynthesizerが出来てから数十年経って普通に今それを中心に作られた音楽が世の中には満ちているのにClassical Musicのごく一部の人、とくに子供を教育する人のなかに、その現実から乖離した世界観を持って居る人たちの如何に多いことか。
先生の教えは尊重しなければならない。
しかし、時代はどんどん変わっていって居るのだ。
今や、絶対に電子楽器はなくてはならないものになっていて、それを際物で見ているのはClassical Musicの旧世代だけだ。

それ以外のメーカーだってきっと同じだ。
確かに生の楽器のすばらしさは筆舌に尽くしがたい(僕にお金があったら絶対に戦前のドイツの楽器を買うだろうし、活動の基本は生のPiano(生って書くの考えたら変だ)なんだが。)が、電子楽器とComputerに対して、もっと価値を見いだし、日常的に教育に活かす人たちが当たり前に存在する時代は、もう10年前を考えたらとっくにやってきてると思っていたが、、、、、、
楽譜を読む手段を教育するのに、Computerを使えば本当に楽なんだけどね。
弾いたとおりに画面に映るというのは、五線紙に書くのとは違うからな、、、、
まあ珍しく愚痴っぽい記事になりました(爆)
今思い出すと、Rolandの講義をしていたとき、熱心に聞いて、かつ質問をしてくるのは、僕が話したい若い綺麗なお姉さんの先生達では残念ながら無くて、ある意味機械に強くなくて時代に取り残されると危機感を持っていたおばさまたちの世代のベテランの先生達だったことを思い出すのだが、その後どうなったのかな。
一枚目の写真は4/8にお誘いを頂いて僕も弾きに行った、Rolandの試弾会での最新のRolandのV-pianoのグランドピアノヴァージョンです。
そばらしい作りでした。
そして二枚目の写真は、その試弾会や、もろもろのお仕事で(Domingoのconcertの時にDigital Pianoを借りられたのも彼のおかげ。かつては一緒に北京にも行ったよ。)もうおつきあいが20年くらいになるRolandの社員で、Gueenのメインヴォーカルでもあるfreddie波多江氏です。

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RolandのFP-7Fはとても弾きやすかった - 2011.04.14 Thu,03:10
DomingoのConcertの二日目の今日は初日と違って88鍵のdigital pianoをRoland社から借りました。
本当はRD700というStage Pianoの名器や、究極のStage PIanoのV-Piano(今もっとも欲しい楽器)を借りたかったけど前者は在庫がなくて、後者はElec.Pianoの音色がもともと着いてないという理由で、これになりましたが、意外とというと失礼なのですが、素晴らしいレスポンスですごく初日より楽に弾けました。
初日はpianoというよりはKeyboardである、61鍵の自分のXP30という昔のオルガンタッチのものでしたから。

この楽器はもちろん二つの音色をsplit(分割)することができて、一曲Celestaに乗り換えなければいけないものがあったのだけど、celestaは遙か彼方のHarpの横にあるし、それならと、右手の高い音域をそれにして下をPianoにするセッティングを一つ作り、ある曲はそれで臨みました。
一緒にKeyboard Amplifierも借りましたがすごくいい音でした。
やっぱり僕が持って居る小さいものは自分のMonitorに使うべきだね。低音の存在感が全然違う。

今回は使わなかったけど、面白いのが、もちろんMIDIのdataも再生しながら演奏することができるのだけど、Audio Fileも再生できる機能がついているということだ。
最近はすごいね。
だから、Classic系の僕としては、生のStrings QuartetやTrioの演奏をあらかじめ録音しておけばPianoのQuintetやQuartetをそれをカラオケにして演奏できるのだ(爆)
MIDI dataのカラオケより絶対にすごそうだ。
もちろんmicrophoneも入るし、この楽器自体にspeakerがついてるから弾き語りも同じ所から音がでる。
象牙の鍵盤みたいな手触りもとてもGoodでした。
最近のRolandの技術は、強弱を付けたときにその段階がたしかにMIDIのお約束で128段階しかないのだけど、その階段が無段階に聞こえる様に工夫されているから昔の電子楽器を弾くときに生のPianoとの違いに腹を立てるという感じではなくなっています。
Split pointの境目の強弱で弾くと、PPでなめらかにlegatoしているのにあるKeyだけ突出して大きい音が出てしまう、ということが時々ありましたがV-Pianoではそれが完全に解消されているし良いamplifierとの組み合わせであれば、酷い生楽器より気持ちよく弾ける事は間違いない。
昨年演奏していたMusicalのSHE LOVES MEや、Guys and Dollsみたいな仕事は、弾きながらbandに合図する役だったので、音楽監督も僕には他の音色に切り替えて演奏するということを求めなかったからPianoの音一つだったわけで、今思えば、V-Pianoで弾くべきだった。再演があったら絶対にそうする。
でもこのFP-7Fでも十分気持ちよく弾けるとは思うなあ。
これはリーズナブルだし今こういう楽器を買おうと思っている人にはお勧めですよ。
家での使用を第一に考えるならスピーカーがあるしね。

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Plácido Domingo Concert in JAPAN 2011 - 2011.04.11 Mon,13:37


そこはちょうど代々木公園の近くで、代々木体育館の裏手になります。
外で飲んでも良いみたいなので、普段本番前には手の調子がおかしくなる確率が高いので、絶対に飲みませんがcoffeeを頼み(眠くてしょうがなかったからカンフル剤として)外に出てみたら、今見てもなかなか凄いデザインの体育館をみて気持ちよくなってました。
これはたしか1964年当時の建築だよね。

最初の写真以外はclickするとちょっとだけでかくなります。

これから本番なんて嫌だな、このまま夕方まで眠りたいと思いながら、渋谷のど真ん中でこんな事を出来る場所があるというのは(代々木公園まで行けばあるだろうが)知らなかったぞ、と思いました。

さて、本番。
ユージン・コーン(Eugene Kohn)さんの分かりやすい指揮でよかった。元々マリア・カラスなどの伴奏をしてきたPianistの方だそうです。
ドミンゴさんの歌は本当にすばらしい声で、その存在感と表情はすばらしかったし、もう一人、アルゼンチン生まれのヴァージニ・トーラ(Virginia Tola)さんというSopranoもすばらしかった。
曲によって本当に表情が違うし、高い音域のOperaのariaは勿論、二部はMusicalやPopular songが並んでいたけど、低い音域のMusicalの曲もすごく底鳴りをしていて面白かった。
で、アンコールになって僕が出て行くと、Rockのconcertのような指笛、叫び声、拍手の滝でした。。
ものすごい盛り上がりの中終わりました。また13日にSuntory Hallでもあるのだけど、楽しみだ。
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Twitterでのかつての知り合いとの再会から、Placido Domingoさんの後ろでちょこっとだけ弾く事に - 2011.04.09 Sat,01:09

突然の告知になりますが、来たる10日の日曜日と13日の水曜日、Placido DomingoのConcertのOrchestraの中に入って数曲だけ弾く事になりました。
4/10の17時半からUstreamで配信されるようです。
Maestro Domingoとは、2002年のWorld Cupの時の3Tenors以来です。
なぜかあのときのSuper World Orchestraの中で鍵盤を弾かせて貰いましたが、Rehearsalから一切声をセーブすることなく(通常Tenorの人はRehearsalでは本気で歌わない)三人ともフルスロットルだったのに驚愕した記憶があります。
そのとき真横で叩いていたベルリンフィルのTimpaniのおじさんの音のすごさに滅茶苦茶感動した記憶もあります。
今回のOrchestraは日本Phil.です。
写真の花は午後に訪れた代々木上原のMUSICASAの外のお花です。
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Phantomのピットの中 - 2010.12.06 Mon,07:56

僕の譜面台には、この間花鳥園(最新の記事にリンクしているけどその内フクロウの写真をアップした段階でリンクを変更するぞ)で買ったフクロウのマグネットが貼付けてあります(爆)
あと、マニアックな事ですが、この譜面は劇中劇のオペラの「タイターニア」を演奏するところですが、実はこの譜面は僕が大阪公演を前にして写譜したもの(移調したのは公演が始まってからだけど(爆))なのですが、クリックしてみるとでかくなってよく分かりますが、キーボードの設定の都合で妙な事になっています。
この部分は、右手がフルート、左手がファゴットとなっていますが、ファゴットの最低音は、ピアノの中央のド(つまりト音記号の一番下の線の真下)から数えて2オクターブ下のドの二つ下のシのフラットです。
僕は今、61鍵しかないキーボードを使っているので、デフォルトの音域で弾くと、その最低音は鍵盤にありません(爆)
全体を1オクターブ下げれば問題ないのですが、それだと、スプリット(鍵盤をゾーンに分けて違う音色を出す事)で設定したフルートに支障がでるので、苦肉の策として、この場面だけ、全体を半音あげて音が出る様にしました(爆)
故に、僕は一時的にクラリネットやホルンの様に、その楽器のドを弾くとピアノで言う他の音が出るような、胃腸楽器、否、銀杏楽器、否、公孫樹楽器、もうしつこいな(爆)、移調楽器になったわけです。
でも、もし僕が音楽監督だったら、奏者がこんな変なことになっている譜面を見たら怒りだすのは必死なので絶対にやらないでしょう。
自分で弾くからやったとしか書きようはありません。トラの人にお願いするのも悪い(爆)
こういう記事を書くために撮ったわけじゃないので、譜面のその部分を撮らなかったのは今思うと残念(爆)
その瞬間だけ、in C#のキーボードです。
だから、周りはハ長調を弾いているのに僕の手は半音高い音で弾いています(爆)
でも、このあとすぐ右手がクラリネットに持ち帰られる(クラリネットは移調楽器だけどもちろん僕はinCの譜面に書き直したものを使ってますから)ので、その小節からは、設定はもとのハ長調に戻ります(爆)
こういう設定をした日はさすがに頭がおかしくなりそうでしたが、マーラーのシンフォニーではそういうことをトランペット奏者はこまめにしているようですから、特別な事ではありません。
あと、もともとファゴットのパート譜のまま弾いていた時は、ヘ音記号じゃなくてピアノ弾きは苦手な(爆)、テノール記号の所もあったりしましたが、移調とともにもう慣れました。
まあもしかして右手がヴィオラで左がファゴットで両方ともハ音記号だったら、きっとその焦りは半端じゃなかったとは思うが、それはそれで、ソルフェージュの勉強になると決めつけ、きっとそのまま弾く事に挑戦したとは思います(爆)
でもこの同じフレーズを一幕の序曲ではハ長調のままで弾いているので勘違いしない様にしなければなりません(爆)
まあこういった「マニュピレート」(キーボードにいろんな音色を割り当てたり、その音域を場所によって調整したり、音色、ヴォリュームのバランスを仕込んだりのこと)の実際について、今度記事にしてみようとは思います。
今回は、通常、譜面があって、マニュピレートする場合が多いけど、二人分の譜面を東京公演のあとで、自分で作らなければならなかったので、結構大変だったけど、ある意味、自分で弾きやすい様に譜面も楽器も設定出来たので、労働が増えて不運だったわけではなく、東京公演をずっと弾かれていた金子さんがもし大阪まで来て、僕が途中で変わるみたいな事があったら、あるいは、大阪公演の途中から金子さんが復帰していたら、彼がこの仕事までしなければなからなかったとか、東京とは全然違うセッティングで、また0からやるということを思うと、それは実に気の毒だったから、東京公演と大阪公演で編成が変わったことは、運が良かったと言うしかないと思います。
まあ僕は東京公演ではハープのパートを弾くというおまけもあったけど、それはそれで少なかったけど楽しかったし、ミュージカルの公演で二種類のパートに手を出したのは生まれて初めてだったからそれはそれで貴重な体験だった訳です。

本物のピアノはちなみに88鍵。
ピアノのパートだったら、間違いなく88鍵のキーボードを用意するけど、もう古いモデルだけどこの機種は、4種類の音が重ねられるし、結構使える音が入っていると思うし、オーケストラの楽器だけが入っているオプションのカードが入っているからいまだにこういう仕事では使っています。
でも、次回、この作品でなくても、もともとこの様なパートを弾くことが発注されたら、きっと、Macbookを据え付けて、僕が名古屋の人形劇団の「むすび座」の為に作曲した“ジョディーと子鹿のフラッグと”で使った、その中に入っているオーケストラのソフト音源を鳴らす事になると思います。

前にも書いたけど最近僕がやった作品としては、久しぶりに人間の数が多いよね。
今日はPhantomの大阪初日でした。 - 2010.11.28 Sun,23:18

今日は熱狂のなか、Phantomの初日が終わりました。
写真は、昨日の舞台稽古の待たされている時間、僕の席から指揮者の御崎恵さんと彼女に向かって後光がさしているところを撮りました。(追記に続く)
シンポジウムで講義したりもした - 2007.05.07 Mon,00:33

電子ピアノは夜の近所迷惑のためという、単なる「本当のピアノの代用品」という用途だけではなく、コンピュータなわけだから、本当のピアノじゃできないポテンシャルを使って、それで譜面を書いたり、自動演奏機能を使って(前者も後者もパソコンをつなげればもっと複雑なことができる)有効にレッスンに活かしましょうとかほざいてます。
右の写真は、リアルタイムにローランドのデジタルピアノを弾いた結果を譜面に投影してみているところ。
最近の電子ピアノは、譜面台のところにディスプレイがあってそこに演奏したデータが音符になって出て来て(それを外部のディスプレイ、この場合は確かパソコンんを介してプロジェクターに出力したから大写しになっている。)、かつ、それを再生して合わせて演奏したりすると、二段の譜表になってるのだが、下の段に進んだとたんに、上の段に、次の段が表示されるので、譜めくりはいらないという実に便利なことになっていました。
でもこのレクチャーをしたのももう何年前か忘れたくらい昔のことだから最新のものはもっとパワーアップしていることでしょう。
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デジタルなキーボードとのつきあい - 2005.10.07 Fri,23:07

もちろんシーケンサーといったって今のようにデジタルピアノに内蔵されている簡易なそれはレコーダーという風に思っている人も多いけど、当時は十数個の音を「反復」する機械という意味合いしかなく、音色もエディットしても翌日はそのつまみの具合とかの違いで同じ音色を再現すること自体大変だった。
劇音楽にするためには、4チャンネルのオープンデッキに多重録音した(若い人には何のことかわからんだろうなあ)ものだし、音源自体、二つ以上の音を同時に出すことは不可能だった。(爆)
だから和音にするには少なくとも二回は重ねないとできなかった。
その劇音楽はなかなか評判も良くそれなりに勉強になったしそういう作業は刺激になったけど、作業の生理がピアノを弾くこととあまりに違って、それからもうめんどくさくなってシンセサイザーとは金輪際お別れだと思った。
それから十年弱たって音楽で仕事をするようになったころ、あるミュージカルでキーボードを弾くことが突然代役(たしか初日の三日前だった(爆))として廻ってきて、シンセサイザーとの再会、しかし、デジタル・シンセサイザーとの初遭遇がYAMAHAのDX7だった。
しかも作曲は当時ソ連のショスタコーヴィッチの次の世代の代表者であるロディオン・シチェドリンの作品だったからこれも異例中の異例だしそれから今年の頭にやった仕事(写真)には奇縁の連鎖があるのだ。
だって、シチェドリンはばりばりのクラシックの作曲家であり、彼はそういう楽器を使って作曲するのは初めてだったことに立ち会えた幸運。
そして今世紀に入って2002年、バレエで有名になった彼の編曲を元に構成された、ビゼーのカルメンを原作とする「ザ・カーマン」という「男版カルメン」のバレエを鬼才マシューボーンが日本公演したとき、それにもキーボードで関わった。
そのマシューボーンの別の作品(白鳥の湖)で世界的な名声を手中にしたダンサー、アダム・クーパーが日本で初演した「危険な関係」でキーボード(デジタルピアノ+サンプラー音源)を弾いている姿がこの写真である。
もちろん間には様々なキーボードで関わった仕事があるけど、この三つは自分のなかでは偶然でもあり幸運な連鎖と考えている。
白石准の仕事としては、基本は普通のピアノを演奏することであり、クラシック音楽なのだが、前述のミュージカルでキーボードで仕事をすることを覚えたわけで、チェレスタやオルガンに関する記事でも述べたようにこれらはやっぱり現場で否応なしに覚えないと仕事にならなかったという経験で自分の一つの演奏手段を増やしてきたことになる。
その後、他のミュージカルなどでもたくさんキーボードを弾いてきた(たぶんピアノでミュージカルに参加した回数より割合は多いのではないだろうか)。
その合間に、自分でもデジタル・シーケンサーという機械に80年代後半、子供のためのミュージカルを「仕込んだ」。今じゃ当たり前になったDTMを今のようなコンピュータなしにそのころからやっていたわけだ。
そしてそれを譜面にしたくなってMacintoshというコンピュータを90年代頭に買って譜面を書くのはいまじゃ手書きですることはほとんど無くなった。
(Mac.も譜面を書くソフトも今の値段の数倍以上だったよ(>_<))
そのうちキーボードの中の音色の編集(それをする専門の人のことをマニュピレーターと呼ぶ)もかなり自分でやれるように(やらざるを得ないことがほとんどだった)なったし、そのおかげで、クラシックの演奏家としては面白がられてあの、ローランドという電子楽器の会社のセミナーやシンポジウムの仕事を数多くさせてもらうことになった。
今じゃ、環境も変わり、前述のマニュピレーターの人も増えてきたので、ミュージカルで弾く際は、分業になってきて基本的には弾くだけで良くなったから楽になってきたけど、現場で色々修整するとき全くわからないのとそうでないのでは仕事の出来がかなり違ってくる。
二十世紀も後半に生まれたのだからテクノロジーの進化と共に生まれてきた楽器に、それに触れずとも生活できるなら(爆)それはそれで幸せなんだろうが、永遠のフリーター白石准としては、ニートにはなれないので、そのおかげでかなりご飯も食べられたし、それだからこそ、ピアノを弾いていただけでは出会えなかった人たちと相当な人数出会えて来たわけで、このカテゴリーの記事から忘れてはいけない白石准の別の顔である。
ピアノの代わりとしてだけデジタルピアノやその他の電子楽器を解釈する世界観ではネガティブなことにしか繋がらないと思う。
奇しくも明日はサントリーホールの小さい方で、プーランクのナゼルの夜会を独奏する。
もちろんピアノはスタインウェイのコンサート用のものだ。
同じ建物の大ホールでもピアノを弾いたことのある人は僕に限らず大勢いるだろうが、大ホールのステージでシンセも弾いた人はそんなにたくさんいないと思う。(爆)
それはこの前に投稿した記事に繋がるが、オーケストラの仕事をしているとそれまで弾いてきたピアノ以外にチェレスタを弾くこと覚えてきた。
チェレスタをオーケストラ以外の場面で出会って弾くようになったという人はほとんどいないでしょう。(爆)
しかしそれ以外にもバロックの通奏低音のパートとして、チェンバロを弾かされることもあるし、その楽器は最近では専門にやる人も増えているからそういう人たちからすると「何も知らないで仕事しやがって」ということになるんだろうけど、反面映画音楽のようなジャンルではキーボードも弾かなければいけないし、それだけでなく、現代音楽にはキーボードが元々指定してある事もある。
ポピュラー音楽だけではなく、そういうジャンルにもこの楽器はもう無くてはならないものになったのだ。
そしてオーケストラの仕事(ミュージカルのピットの中でも同様に)をしていると何でも状況によってそれを扱わなければいけないことになるものだ。。
もちろん楽器に関してはロックやなんかのジャンルのキーボーディストにはもっと詳しい人がたくさんいるけれども、クラシックのオーケストラ(ミュージカルも基本的にはクラシックのオーケストラという概念で書かれた音楽が多いわけで)の中で、アンサンブルをすること、細かい譜面や指揮を見て弾くことと電子楽器の扱いに詳しいこと、これらを両立する人はあまり多くないから、いわばこれは鍵盤奏者は多いけど、それぞれの専門のジャンルの「隙間産業」みたいなものでもあるね。
写真の時の「危険な関係」公演時も譜面は完全に古典的なクラシック音楽だった。
しかし、良くありがちな、オーケストラの人数を減らすために、弦楽器や管楽器の「代わり」をするのではなく、(ミュージカルはほとんどそういう経費節減の役割で生活の足しと考えれば我慢できるが、音楽的にはうんざりすることが少なくない)鍵盤楽器の音と、打楽器(がいなかった)の音と、なによりも嬉しかったのは、電子楽器でなければでない音(人間の声などを取り込んだサンプラーを含む)が中心だったので、やりがいがあった。
僕が幸せだったのは、最初の「仕事」もシチェドリンがDX7の中に標準で入っている音色を全部(爆)使い、当時は、FM音源の独特の音色だったが、シンセサイザーの音がそれそのものの個性をオーケストラの中で主張していたものを演奏できたことである。
別の記事にもつい最近書いたが、電子ピアノで弾かざるを得なかった本番で、耳の肥えたオーケストラの事務局の人に「電子ピアノで弾いている事を忘れていたのが不思議だった」と言われたのは、自分なりにもう二十年もそういう楽器にことあるごとに触れてきた成果がでてきたのかなと思う。
古いピアノに対する憧れとともに、「誰が弾いても同じ音がする」と思われているデジタル楽器でも弾き方によっては個性が出たり、それを扱うことが上手く行ってないと不自然に感じられることを忘れさせられたりするのかもしれないと、ここ毎日普通のピアノを弾いていてふと思い出したので久しぶりの投稿をしてみる気になった。(爆)
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