Bechstein(ベヒシュタイン)1924年製 - 2006.02.18 Sat,00:04

タイトルにある楽器(写真右のC.Bechstein)は、今年の一月京都にある森田ピアノ工房でのコンサートで弾いたものである。
その記事の中でも表明したとおり、小さな楽器だとは思えない立派な響きがした楽器です。
すごく内面的な曲を弾くのに気持ちよくなる楽器、と一言で書いておきましょう。
楽器の大きさ(165センチ)にしたら、立派な低音が鳴ってくれたことはコンサートブログでも書いたけど、高音部だって、現代のヤマハ(大昔はこのベヒシュタインがヤマハの手本だったらしい、今はスタインウェイが手本になっているようだけど)やスタインウェイの様に高音部を響かせるためのアリコート方式をとっているわけでもないのに、気持ちよく響いた。
たしか最近のベヒシュタインはアリコートを取り入れているんじゃなかったっけな。間違えていたら誰か教えて下さい。
需要と供給の関係でスタインウェイっぽくしないと売れないからなのかな。
だんだん個性がなくなっていくのかな。
これだけ良く鳴るわけでスタインウェイともベーゼンドルファーとも違う良さがあるのに。
もちろんこの楽器は森田ピアノ工房の手入れの水準が高いから気持ちが良いわけだが、楽器の才能としてもとても素敵な音のする板を備えている感じがあったなあ。
経済的に余裕があったら間違いなくこの楽器は自分の部屋にも大きさ的に合うしとても欲しいと思った。
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★2006/1/21白石准のピアノの部屋@京都森田ピアノ - 2006.01.22 Sun,22:51

自分の予想外に部屋をあふれそうにお客様がいらしてくださり感謝感激です。
すばらしい楽器を二つも(実はそれに加えてスタインウエイの縦型もちょっと弾いた)弾けて、通常ホールではできない体験で感じいりました。
調整していただいた森田ピアノのみなさんに感謝です。
エラールのピアノはプレイエルと並んでショパン時代からあるメーカーであるが、このピアノは前述の様に90鍵あって、現代の通常のピアノより二つほど低い鍵盤が存在します。

現存するメーカーとしてはウィーンのベーゼンドルファーは、もっと下のドまでオプションの鍵盤があるモデルがあるから、それ以外では初めてだったけど、プーランクだけでなく、ラヴェルにもこの音があるということはフランスのメーカーにはこういう音域の鍵盤があるものがいくつかあるあらしく、近代の作曲家の「日常」にはその時点で、「これからのピアノの音域というのはこれが標準になるものだ」という確信があったのでしょうね。
たしかにピアノが生まれて様々な改良が施されてきた中で、音域の拡大というのもあったわけで、90鍵を用意した当時のフランスのピアノメーカーはことごとくそれ以降消滅してきただけに、もっとそれらが強かったらスタインウェイもヤマハもカワイも通常は88鍵であるけど、90鍵のモデルを用意したかも知れません。
でも、この二つの鍵盤がなくてもほとんどの音楽は演奏出来るし、逆にこの時代のピアノのなかには自分の家のドイツ製の1920年代の縦型ピアノもそうなのですが、一番上の鍵盤が3つ少ないものがよく見受けられるわけです。
つまり85鍵だけど、よっぽど特殊な曲を演奏しない限りそれでもほとんど困ることはないけれど、こうやって「普通の楽器では弾けないけど、楽譜に本来書いてある音」をそのまま弾けるという喜びはやはり単純に嬉しい。
もちろん、音域が広いことが喜びの最優先時候ではないですよ(爆)
音色に関しての弾いて感じる喜びに関しては雑記帳ブログにも書いたけどこれほど饒舌な自分ではありますが、それを再現する言葉が見つかりません。
今回はモーツァルトのK330のソナタとプーランクの“ナゼルの夜会”をエラールで、そして後半、モンポウの前奏曲集をベヒシュタインで弾きました。

自分の家のピアノの部屋はとても狭いのでこういう楽器だととてもありがたいですね。
このベヒシュタインの譜面台はなんとなく京都の町並みにあうような気がします。(爆)
古い時代のピアノの譜面台は、エラールの写真をみても分かるとおりこのように隙間を多く取ったものが多いのです。
これはデザインを考えているとだけ思う人もいるかも知れませんが、譜面を置いて演奏するとその効果を実感します。
現代のほとんどのピアノは譜面台は隙間のない板であり、そうだと演奏者にはそれを建てたときそれを寝かせている状態ととても違う音色で聞こえてきます。
そういう意味だとこれはとても演奏者にとって譜面台による「障害物のじゃま」をなしに音を聞けるのでうれしいのです。

右の写真の一番右側はニューヨーク・スタインウェイの縦型ピアノ。
響板を客席に向けて聴くと縦型ピアノの本当の底力が分かります。
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