Real“どんぐりと山猫”の旅 - 2011.10.19 Wed,12:49
そしてその橋を渡って遊歩道を歩き出したら、まるで宮沢賢治の書いた“どんぐりと山猫”そのままみたいな景色に遭遇しました。
一部かつて撮った写真を交えて虚々実々にstoryを追いたいと思います。
おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいで
んなさい。とびどぐもたないでくなさい。
山ねこ 拝
こんなのです。字はまるでへたで、墨もがさがさして指につくくらいでした。けれども一郎はうれしくてうれしくてたまりませんでした。はがきをそっと学校のかばんにしまって、うちじゅうとんだりはねたりしました。
ね床にもぐってからも、山猫のにやあとした顔や、そのめんどうだという裁判のけしきなどを考えて、おそくまでねむりませんでした。
(実はこの写真、“セロ弾きのゴーシュ”の謎の一場面。)

けれども、一郎が眼をさましたときは、もうすっかり明るくなっていました。おもてにでてみると、まわりの山は、みんなたったいまできたばかりのようにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたにならんでいました。


あるいは“注文の多い料理店”の森の中に忽然と現れる「山猫軒」のように、この神社そのものがもう山猫の罠の異界の入り口かもしれませんね(爆)
一郎が、「よし、ここを行くぞ」と指差しています。


確かにそばに谷川は流れています。


「栗の木、栗の木、やまねこがここを通らなかったかい。」とききました。栗の木はちょっとしずかになって、
「やまねこなら、けさはやく、馬車でひがしの方へ飛んで行きましたよ。」と答えました。
「東ならぼくのいく方だねえ、おかしいな、とにかくもっといってみよう。栗の木ありがとう。」
栗の木はだまってまた実をばらばらとおとしました。
って、実はこの樹は栗の木ではなく、イスノキ(柞の木とか蚊母樹とか綴る。Wikipediaの説明はこっち。)というもので、樫よりも堅い樹で、この一郎さんが何故興味を持って撮っているかというと、別記事で紹介しますが、橋を渡る前に木工の道具を作って売っている所があって、OboeとBassoonの両氏はいろいろと木談義に話が弾み、それぞれが必要な木材の端切を貰ったり買ったりしていたからです。
樹の大きさに圧倒されて全体を撮ったので、色んなpageで紹介されている葉っぱに出来る「虫こぶ」は見られませんでした。
下の写真は、別の場所にあったイスノキですが、上の写真もそうだけど、なぜか何時倒れてもおかしくない様な場所に生えているのですが、しっかりとこの山の特徴である岩にしっかり根を巻き付けていて、樹自体は巨大だけど立っているのです。
しかしこの根っこはまるで手の様に見えます。
だから樹が話して来ても不思議じゃない気がしてきました。

上を見上げると、実に立派な枝振りです。

さあ、次は笛吹きの滝、きのこの楽隊、栗鼠がいるかな。
長大な追記に続きます。
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相原諏訪神社の狛犬 - 2011.09.07 Wed,10:10


写真をclickするとよくわかりますが、上に居る大きな狛犬の後ろ足の辺にしがみついているのが一匹。
そして、大きな狛犬の珍しく下を向いた心配そうな視線の先というか、下に登りかけているのが一匹。
追記にそれらのclose upを乗せてありますが、台座自体が深山を表しているようで、なかなかstoryを感じる動きのある狛犬ですね。

で、こっちは小さい狛犬はやはり足下の方に一匹いますが、左の様にもう一匹は一見したところ見当たりませんでした。
もしかして左下のでっぱりのところかな、とも写真を見て思いましたが、今度実際にまた行って確かめようかな。
歌う樹etc.Dryads - 2011.06.21 Tue,11:30

右手を挙げて挨拶して微笑んでいる。
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kiss moss - 2011.06.06 Mon,07:02

写真の実際のsizeは大きく見て貰いたいので、ここに表示するのはいつも縮小されていることが多いのだけど、blogを投稿する時点で自動的に縮小されて表示されると実に色が褪せて出来上がってしまうことに気づきました。
縮小版と実際のsizeを二つuploadする手間が面倒くさかったらここで表示されるsizeで我慢するしかないか。
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