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Rolandの創業者、梯さん、グラミー賞受賞おめでとうございます! - 2012.12.15 Sat,12:43
梯(かけはし)郁太郎さんが受賞された事を知った。
http://mainichi.jp/select/news/20121215k0000m020143000c.html
シンセサイザーや電子ピアノ、電子オルガン、そして、今回の受賞された部門、電子楽器やそれとComputerを繋ぐ企画のMIDI(Musical Instrument Digital Interfaceの略)に関して制定、そして各社のばらばらだった企画を統一して互換性を高める事を提唱し、実現した、GM(General MIDI)の規格。
もう相当なお歳であるのに、衰えることの無い、もの凄い創造欲に溢れた偉人の一人だと思います。
やっぱり何か他の人のやらないことをやり始めた人というのは凄いオーラがあります。
このblogを見に来ている人も、僕のほとんどの共演者も、習っている人も、僕の事を、Pianoなどの「生の楽器」を演奏し、そういうclassic系の作曲をする人だと認識しているでしょうが、どっこい、1/4以上は電子楽器とは密接な生活をしているのは、Rolandとのご縁がきっかけと言って良いのです。
僕とのファーストコンタクトが、電子キーボードだった場合、僕は「Keyboardを弾く人」と認識され、かつて、黛敏郎さんご存命中の「題名のない音楽会」の収録の時、Synthesizer奏者として参加していて、たまたまPianoが空いていたので休憩中弾いていると、スタッフから「え?白石さんって、Pianoも弾けるんですね」と云われた事だってあるわけですよ(爆)
初めてRolandという会社の人達とご縁が出来たのは、昭和天皇が逝去される直前、様々なコンサートが自粛ムードで中止されていた時期ですから、平成になる直前の事です。
その後、1992年頃だったか、日中友好20周年記念のイヴェントで、テレビ朝日のクルーとRolandのクルーと一緒に北京まで行って、シンセを演奏してテレビに出て「八木節を歌ってきた」という白石准の隠された人生のエポック(爆)、がありましたが、それをきっかけにとてもRolandと近くなりました。
現地のプログラムには、「白 石准」と、名字が「白」と綴られていたし(爆)、そのコンサートの折り、舞台袖で僕をみて居た、向こうのオーケストラの人たちが居たが、彼らにとって、僕がMozartを弾くなんて信じられないだろうなと思いながら弾いていたぞ(爆)
当時は、クラシック音楽系の音楽家でMIDIに傾倒している人はあまり多くなかったので、Rolandのセミナーやシンポジウムに頻繁に呼ばれて仕事を頂いていた折に、梯さんとは良くお会いして、僕の事も面白がって下さっていたし、まずその尽きぬ情熱に圧倒されたものでした。
(もし僕が演奏家を廃業して会社員になるとしたら、絶対にこの会社に入りたいとまで思った時期もあります。)
だから、そのご縁で、もう今は現行機種では無いけど、かつての家庭用の電子ピアノのデモ演奏には僕が弾いたグリークの小品が入って居たりします(爆)
(その録音は浜松のファクトリーでやりましたが、ほとんど明け方近くまで掛かって、朝9時に東京の玉川大学に戻って授業があったので、寝ないでRolandの社員と始発まで飲んでから行ったら、学生に「お酒臭い」と言われたことを思い出した(爆))
Wikipediaにもその一端が紹介されていますが、それだけ摘まんで読んでも、「ただ者では無い」感じがするでしょう。
彼の自叙伝もかつて読みましたが、その生涯は波瀾万丈、読み物としても面白いのでご紹介します。
![]() | ライフワークは音楽 電子楽器の開発にかけた夢 (2001/04/11) 梯 郁太郎 商品詳細を見る |
どこか、誰も考えなかったことを着想するという点では、Appleのスティーヴ・ジョブスに似ている所を感じます。
(Mac遣いの僕にとっては残念ながらRoland製品は、AppleよりWindows寄りなところが多くあったけどな(爆))
今は日本の企業がとても元気をなくしているけど、この分野じゃ、世界のブランドとして誇りを持って「日本の造ったtechnology」の会社と言えるものでしょう。
僕の人生に於いて、RolandとAppleのMacintoshという二つの夢溢れる20世紀の新しい会社の製品との出会いがあったからこそ、譜面は鉛筆を使わず、1991年くらいからMacのFinaleで書くようになったし、Musicalの中でSynthesizerのマニュピレートを覚えたし、電子楽器を弾くことが「片手間」ではなく本気の仕事になったし、MIDIを使って作品も残したし、20世紀に産まれたのだから電子楽器抜きの音楽生活は考えられないし、それを「きわもの」として考えているclassic系の人が居るとするならばそれは完全な間違いだと思います。
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一期一会 - 2011.12.08 Thu,19:23
今日は見かけない重装備の自転車が境内に停まっていました。

朝練習して、昼飯を食う段になって、近所の弁当屋に行ったのですが、弁当を持っていつもの休憩所に行って一緒にお茶を飲んだりしている間に、その自転車の持ち主とお話しすることになりました。
(弁当屋でも食えたのですが、なんかお話ししてみたい気持ちがお姿を見る前からなんか心に湧いていたのです。)
お名前は西条さんとおっしゃいます。
この方は、この自転車で全国を行脚しているのです。
そして気に入ったところがあると、下の写真のように絵を描き出します。
お話ししている間に、なんか凄いお方とお会いした実感が湧きました。
もう還暦は過ぎてらっしゃることを聞きましたが、「自分探しの旅」とおっしゃるのですが、もうご自宅を出てからは相当な時間が経っていて、寝泊まりもテント、お食事も飯ごう炊さんだそうです。
僕は今日、Lessonを午後の早い時刻にして、その後一人で練習していたのですが、段々冷たい雨が降ってきたのに日が暮れるまでずっと外で絵を描いてらっしゃいました。
お別れの時にご挨拶をしてくださったので、寒いだろうから、僕がしていた手首に巻くバンドで、その中に小さい使い捨てのカイロを入れると手首が暖まるやつを差し上げたら、喜んでくださいました。
携帯電話も何も持たずひたすら漂泊の旅を続けていらっしゃる姿は、修行僧の様でした。

道中は時に凄い峠もあるだろうし、この間の酷い台風も静岡付近で膝まで水につかりながら、暴風に耐え、自転車を倒さないように、そしてなによりも、スケッチする紙を濡らさないように歩いていたそうです。
僕も自転車は好きなのでよく分かるけど、強風と雨、そして僕は経験無いけど雪なんかは耐えられないよな。
寒い季節になったので、南下しているとおっしゃってました。
家を(大分県にお家があるのだそうです。)でてからどういうルートで何万キロ走っていらっしゃるのだろうと感服するしかありません。
別れ際に、彼の口から「一期一会ですが」と発せられた言葉は、我々普通の生活をしている人間の口から出るそれとは全く異質の音に聞こえて背筋が伸びました。
元々どういうお仕事をされていたのかは、訊きませんでしたが(そんなのどうでもいいよね)、道中はたぶん、体力的にも精神的にもタフな状況の方が楽なものより割合は多いとは思いますが、あちこちでいろんな人に会い、功徳を積んでいる高貴な魂に触れて、自分の魂に元気が頂きました。
最初はママチャリで臨んでいたそうですが、心意気に感じた方々からの応援でこのようなちゃんとした自転車に変わったそうです。
元気と、なんか背筋が伸びるような一瞬を、ありがとうございました。
もちろん、ネットもやらない純analogなおじさまでしたので、このメッセージが彼に伝わることはあり得ませんが、どうか、寒くなってきましたし、彼のこれからの道中も天が守ってくださいますように。

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